草野球でもランニングでもない「心筋梗塞」「脳卒中」リスクが高い“競技人口900万人の人気スポーツ”…医師が指摘する「早起き」「途中で抜けづらい」「1打のプレッシャー」という危険要因
「『スポーツは健康を増進させる』、『年老いてもスポーツを続けることで長生きできる』、こうしたスポーツの効能を信じている人は少なくないでしょう。しかし一度、冷静になってほしいのです。実はスポーツによる心身の負荷は相当なものがあり、健康のためにと張り切りすぎたせいで命を落とすことさえあります。特に40歳を過ぎたら、スポーツは突然死の原因になると注意するくらいでちょうどいいのではないでしょうか」──東京都品川区戸越で「秋津医院」を経営し、多数の著作で知られる秋津壽男医師は意外な警鐘を鳴らす。
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「あまりにも激しいランニングは身体に悪い」──こちらのほうは理解頂けるのではないか。思いつくだけでも熱中症、脱水症状、心臓疾患のリスク……といったリスクを挙げることができるだろう。
だが、この記事で取り上げるのはランニングではなくゴルフだ。ゴルフはサッカーやテニスなどと比べて、そこまで体力や筋力を必要としないように思える。それこそ「年老いても楽しめるスポーツ」というイメージもあるだろう。
ゴルフの競技人口は2000年に約1300万人を記録するなど非常に多い。少子高齢化が進む2024年でも約900万人というデータもある(註)。
とはいえネットを検索してみると、意外にも「ゴルフが原因で年に200人が死亡している」と注意を促すサイトが多いことが分かる。
データベースで「200人死亡」の“ルーツ”を探ってみると、少なくとも新聞は1997年8月の毎日新聞に掲載された「危険ゴルフ お寒い救急医療体制--プレー中の死、年間約200人」との記事が初報のようだ。
秋津医師は「ゴルフというスポーツそのものを考えれば、それほど健康上のリスクは高くないのです」と言う。
「例えばゴルフの練習場、いわゆる打ちっぱなしでボールを打つだけなら、心臓や脳血管に対するリスクは減少します。ゴルフ場でプレーしている時も、移動の基本は“ウォーキング”なので負荷は少ないと言えるでしょう」
ゴルフ場のゴルフは問題だらけ
ところが、ゴルフ場でのゴルフとなると話は違うという。
「データを見ると、40歳以上を対象としたスポーツ種目別の突然死数ではゴルフは上位に位置します。より具体的に言えば心筋梗塞、脳卒中、急性心不全などの発症につながっているのです」(同・秋津医師)
一体ゴルフの何が健康を害するのか――。秋津医師は「まず『体調が悪くても無理してしまう』ことが挙げられます」と言う。
「ゴルフは4人1組が基本なので、自分だけが欠席すると仲間に悪いと思いがちです。まして接待ゴルフとなれば、何があってもゴルフ場に駆け付けるでしょう。プレー中も7ホールで気分が悪くなったから止める、というわけにはいきません。18ホールまで回ろうと努力します。そもそもゴルフ場に行くためには早朝に起床することが珍しくありません。普段の生活リズムと違う起床時間はそれだけで身体には負担です。さらに早朝は血管が詰まりやすい危険な時間帯でもあります」
ちなみに欠席者が出て3人や2人になった場合、割増料金を請求するゴルフ場は珍しくない。欠席は金銭的にも仲間に迷惑をかけてしまう。
秋津医師は「“運動”と“スポーツ”の違いにも注目すべきでしょう」と言う。
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