夢を追い続けた青年が、世界を目指す経営者になるまで【vol.1】
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18年間追い続けたサッカー選手の夢を諦め、「人生が終わった」と涙した青年。
その挫折は、新たな「世界を目指す」という志へと姿を変えた。
AIとデータで不動産業界の変革に挑む
GA technologies樋口龍社長が、その原点と未来を語る。
“人生が終わったと思った1週間”
現在、AIを活用した不動産テック企業・GA technologiesを率い、不動産業界の変革を牽引する樋口龍氏。爽やかな落ち着きのある口調で、起業に至る前を振り返る。
その内容は、現在の堂々とした経営者像からは想像できないものだった。
「本当に世界的なサッカー選手になることだけを考えて、人生のすべてをサッカーにつぎ込んでいました」
樋口氏がサッカーボールを追い始めたのは小学1年生の頃。将来は世界で活躍するプロサッカー選手になるという夢を胸に、少年時代を過ごした。
サッカーの名門・帝京高校卒業後は、ジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)に在籍し、アルバイトをしながらプロ昇格を目指す毎日だった。華やかに見えるサッカー人生も、その実態は決して楽なものではない。それでも夢があったから苦しいとは思わなかったという。
しかし20代半ばになる頃、その夢に少しずつ現実の影が差し始める。
「最後の2、3年は、プロを目指しているというより、現実を見たくなくて続けていた部分もありました」
長年追い続けた夢を、自分で手放すことは容易ではない。そんな葛藤の中で、転機は突然訪れた。
試合中の怪我だった。足にひびが入り、プレーを続けられなくなったのだ。
「怪我のおかげで、自分を見つめ直す時間ができました。目標が世界だったからこそ、諦めることもできたんです。もしJリーグに入ることを最終目標にしていたら、まだ続けていたと思います」
高い目標を掲げていたからこそ、中途半端な妥協では自分を納得させられなかった。
世界を目指した青年は、その夢に自ら終止符を打つ。
だが、その決断は想像以上につらいものだった。
「1週間、家で泣いていました。本当に人生が終わったと思いました。そのためだけに生きてきたので、自分がプロになれないなんて考えたこともなかったんです」
18年間積み上げてきた人生が、一夜にして消えたような感覚だったという。
何をしたいのかも分からない。
何ができるのかも分からない。
サッカーしか知らなかった青年は、初めて「夢のない人生」と向き合うことになった。
“「運命を変えた」 孫正義氏の一冊”
その絶望から救い出してくれたのは、一冊の本だった。
「昔から親に『本だけは読め』と言われていて、本を読むことだけは好きだったんです」
将来のヒントを探そうと書店へ足を運んだ時、偶然手にしたのが、ソフトバンクグループ創業者・孫正義氏の評伝『志高く』だった。
読み進めるうち、「情報革命で世界を目指す」という言葉と出合い、胸に突き刺さる。
「ビジネスでも世界を目指せるんだ。テクノロジーってすごいんだ。情報革命ってこんなにも世の中を変える力があるんだ、そう思いました」
サッカーでは届かなかった「世界」という舞台。しかし、ビジネスでなら挑戦できるかもしれない。
しかも、その武器はインターネットやテクノロジーという、自分にとって未知の世界だった。
「サッカーで世界的な選手になれなかった分、今度はビジネスで世界的なプレーヤーになりたい。インターネットやテクノロジーを使って、大きなことをしたい。そういう次の夢が、その時決まりました」
人生を失ったと思った青年は、新しい夢を見つける。それもまた、「世界」を目指す夢だった。
そして樋口氏は、次に「何を学ぶべきか」を考え始める。
世界で戦える企業をつくるには、まずビジネスを知らなければならない。インターネットやテクノロジーへの憧れはあったが、知識も経験もない。だからこそ営業の現場で、人と商売を学ぶ道を選んだ。
後に飛び込んだ不動産業界でも、当初から不動産そのものに興味があったわけではない。
「自分が一番成長できる環境だと思ったんです」
しかし現場で経験を積むうち、「不動産」は、多くの人にとって「人生で最も大きな買い物」にもかかわらず、業界には非効率な仕組みが数多く残っていることに気付く。
「この業界は、テクノロジーでもっと変えられる」
その思いが後のGA technologies創業、そしてAIを活用した不動産投資サービス「RENOSY(リノシー)」へとつながっていく。
世界を目指すという志は変わらない。ただ、その舞台がサッカーからビジネスへ変わっただけだった。
Profile
樋口 龍(ひぐち りょう)氏
株式会社 GA technologies
代表取締役 社長執行役員 CEO
1982年東京都生まれ。サッカー選手を目指した後、不動産業界へ転身。2013年に株式会社GA technologiesを創業し、代表取締役社長執行役員CEOに就任。不動産取引のデジタル化とAI活用を推進し、業界改革を牽引している。
■提供:GA technologies
https://www.ga-tech.co.jp/
GA technologiesが分かる2つのキーワード
RENOSY(リノシー)とは?
オンラインで不動産を「買う・売る・管理する」。「不動産による資産形成を、あたりまえにする」を事業ビジョンとして掲げる、不動産投資サービス。不動産投資の検討から購入、その後の管理・売却まで、これまでにない不動産投資を体験できるサービス。
ITANDI(イタンジ)とは?
ITANDI BBを中心に不動産賃貸・売買に関わる取引の一連の業務を効率化するDXサービス群。2026年5月時点で、5,000社を超える不動産会社にITANDIのサービスを提供している。



