夢を追い続けた青年が、世界を目指す経営者になるまで【vol.2】
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18年間追い続けたサッカー選手の夢を諦め、「人生が終わった」と涙した青年。
その挫折は、新たな「世界を目指す」という志へと姿を変えた。
AIとデータで不動産業界の変革に挑む
GA technologies樋口龍社長が、その原点と未来を語る。
“「アイデア」ではなく「課題」から考える”
「世界を前進させる」
樋口社長が掲げるパーパス(目的)である。
企業理念としては壮大な言葉だ。しかし樋口氏にとって、それは会社を飾るスローガンではない。サッカー少年だった頃から続く、自分自身の人生の延長線上にある目標だ。
「会社をつくる目的は、お金を稼ぐことではありません。世界を前進させることです」
樋口氏は、迷いなく言葉を続ける。
「世界的な会社をつくる。世界的なサービスをつくる。そのために会社があります」
起業家の多くは、事業のアイデアから会社を始める。しかし、樋口氏の場合は違った。「世界を目指す」という志から始まったのだ。
では、その舞台がなぜ不動産だったのか。
「もともとITがやりたかったんです」
しかし、理系でもなく、プログラミング経験もない。そんな自分を鍛える場所として選んだのが、不動産営業だった。
「一番難しい商材で営業を経験すれば、ビジネスパーソンとして力がつくと思いました」
ところが5年間、現場で働くうちに、不動産業界そのものが巨大な可能性を秘めていることに気付く。
「当時はアナログだとか非効率だとか、そんなことは考えたことがなかったんです。目の前のお客様に向き合うことしか考えていませんでした」
起業後、新規事業に何度も失敗した。その原因を探している時、一つの記事が考え方を変えた。
≪プロダクトアウト≫ではなく≪マーケットイン≫。
アイデアではなく、課題から考えるというものだった。
「その時初めて、自分が5年間やってきた不動産営業は課題だらけだったと気付いたんです。そこから現在のRENOSY(リノシー=AI不動産投資サービス)の発想につながりました」
現場で積み重ねた経験が、新たな事業へと姿を変えたのだ。
樋口氏は「不動産投資」という言葉そのものを変えたいと考えている。
「多くの人が、不動産による資産形成をしたいと思っています。しかし、不動産にはなかなか投資しませんね」
日本では約2300兆円の個人金融資産の半分近くが、預貯金として眠っていると言われる。
NISAやiDeCo の普及によって投資への心理的なハードルは下がったが、その選択肢として、不動産は、まだ身近とは言えない。
「株だけではなく、不動産も資産形成の大きな選択肢です。私たちはそれをもっと身近なものにしたい」
その考え方は、RENOSYというプラットフォームだけでは終わらない。不動産証券会社をグループに迎え、小口化によって1万円から不動産投資ができる世界も見据えている。
“AIが変える不動産投資と業界の新常識”
「もっと買いやすくすることで、不動産による資産形成を当たり前にしていきたい」
樋口氏は「投資は不動産が一番だ」と語るわけではない。繰り返し口にするのは、「目的」の重要性だ。
「目先の利回りに惑わされてはいけません。リスクとリターンは基本的にセットです」
短期売買なのか。教育資金なのか。老後の生活資金なのか。目的が違えば、選ぶ商品も違ってくる。
「自分のリスク許容度や目的に合わせて選ぶことが大事です」
この慎重で堅実な姿勢だからこそ、「投資を勧める会社」というより、「資産形成を支援する会社」であることが強く伝わる。
GA technologiesグループのもう一つの柱が、不動産会社向けサービスITANDI(イタンジ)である。
契約書は紙、情報送付はFAX、商談は対面。デジタル化が進んだ現代でも、不動産業界にはこうした商習慣が数多く残る。
「ここをデジタル化することで、お客様にも、不動産会社にもメリットがあります。」
不動産テックとは、 AIを使うことそのものではない。人が本来使うべき時間を、人に返すこと。樋口氏の話を聞いていると、その本質はそこにあるように思える。
「点と点は線でつながる」という、スティーヴ・ジョブズの言葉が好きだという樋口氏。サッカー少年だった頃の夢。営業パーソンとして過ごした5年間。何度も失敗した新規事業。そしてAIを活用した不動産テック。
無関係に思える出来事が、一つの線になって今へと続いている。
「世界で戦える会社をつくる。それは創業初日から変わっていません」
世界を目指すという志は、少年時代から変わらない。変わったのは、ボールを追うフィールドが、テクノロジーと不動産の世界へ移ったことだけなのかもしれない。
Profile
樋口 龍(ひぐち りょう)氏
株式会社 GA technologies
代表取締役 社長執行役員 CEO
1982年東京都生まれ。サッカー選手を目指した後、不動産業界へ転身。2013年に株式会社GA technologiesを創業し、代表取締役社長執行役員CEOに就任。不動産取引のデジタル化とAI活用を推進し、業界改革を牽引している。
■提供:GA technologies
https://www.ga-tech.co.jp/
GA technologiesが分かる2つのキーワード
RENOSY(リノシー)とは?
オンラインで不動産を「買う・売る・管理する」。「不動産による資産形成を、あたりまえにする」を事業ビジョンとして掲げる、不動産投資サービス。不動産投資の検討から購入、その後の管理・売却まで、これまでにない不動産投資を体験できるサービス。
ITANDI(イタンジ)とは?
ITANDI BBを中心に不動産賃貸・売買に関わる取引の一連の業務を効率化するDXサービス群。2026年5月時点で、5,000社を超える不動産会社にITANDIのサービスを提供している。



