“歌舞伎を救った米軍将校”“天皇会見に臨んだ従軍記者”の肉声…週刊誌ノンフィクションの金字塔「マッカーサーの日本」が描いた“占領下”の真実
81年目の夏がやってきた。いまや戦前、戦時を知るひともすくなくなった。同時に、戦後の占領期を知るひとも減りつつある。
【写真を見る】アメリカ全土を1年かけ、100人以上の関係者を取材した週刊誌ノンフィクションの金字塔
最近は、それを知って驚く若者もいるそうだが、日本は、1945年8月の敗戦以後、GHQ(占領軍=事実上アメリカ)に、“占領”されていた。最高司令官は、ダグラス・マッカーサー将軍(1880~1964)。その期間は、1952年4月のサンフランシスコ講和条約発効までの、足かけ8年間にわたった。
占領開始から23年が過ぎた1968年にも、すでに占領時代を知るひとたちの訃報が伝わり始めていた。週刊新潮編集部は、この「日本人にとって苦い思い出の時代」(予告コピー)を記録する大型ノンフィクションを企画した。しかも、日本人の視点ではなく、占領の当事者たるアメリカ人の視点で――彼らは、足かけ8年の間、日本で何をしたのか、日本人をどう見ていたのか。まだ生存者がいるうちに聞き出したい。だが、いうまでもなく彼らはすでにアメリカ本国へ帰国している。
そこで編集部は、亀井淳記者(1935~2009)を中心とする取材班をアメリカに派遣、アメリカ全土とハワイを1年間かけて駆け回り、100人以上の関係者を訪ねる大取材を展開した。連載は1968年8月17日号から全45回にわたった。ケーディス、ホイットニー、ウィロビーといった、GHQの超重要人物が続々登場した。毎回ユニークな話題とスクープの連続、しかも重要人物の現在の姿の写真も見られるとあって、大評判となった。それが、週刊誌ノンフィクションの金字塔ともいうべきルポ『マッカーサーの日本』である。いったいどういう内容だったのか。2回にわたってご紹介する。(前後編の前編)
(この連載は、1970年に新潮社で単行本化された際、大幅に構成が変更され、収録順や章題、文章などの細部も改訂されています。ここでは、1983年初刊の新潮文庫版をもとに紹介しています)
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