マイホーム購入直後に地方転勤でもそこそこ幸せ? 就職氷河期世代エリートサラリーマンの鈍感力

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「単純に顔がタイプだったから」選んだ妻

 永田さんは恋愛も多く経験してきた。特に中国勤務中、現地の中国人女性に一目惚れ。その女性の故郷が都会からバスで4時間もかかるところにもかかわらず、本気で結婚を考えた彼は彼女の両親に挨拶に行った。

 都会だとまだ違うのかもしれないが、地方で反日教育を受けている地域だったので、彼女の両親からはかなり渋い顔をされたという。その彼女とは結局続かずに破局した。

 涼しい顔をしながらそう語っていたが、永田さんのその行動力に、同世代男性とは違う情熱を感じた。

 現在永田さんは既婚者で子どもも2人いる。結婚したのは34歳のとき。東京在住の地方出身者を集めた飲み会に参加した際、気に入った女性を見つけ、それが今の妻だ。なぜその女性を選んだのか聞いてみた。

「単純に顔がタイプだったからです。というか、顔以外に何かあるんですか? 男性ってそんな感じだと思います。とりあえず顔から入る。別に美人かどうかの問題ではなく、自分のタイプかどうかです」

 そう言えば以前話を聞いた建設会社勤務の寺山さんも、妻と交際をする際の決め手は顔がタイプだったからと、永田さんと同じことを言っていた。先日書いたルッキズムについての考察記事とも若干かぶってくるのを感じる。

 結婚後は一度国内転勤があり、その後東京勤務へ。そして、ローンのタイミングなどを考え、マイホームを購入した矢先、会社から言い渡されたのは、東京から遠く離れた地域への異動だった。

 大手企業の営業は転勤がある。最近の若者は転勤のない仕事を選びたがる傾向があるが、彼はザ・営業職のサラリーマンとでもいうのだろうか。気にしていない様子だ。夫婦のお気に入りのエリアにせっかくマイホームを購入したのに転勤となり、妻は大きなショックを受けていたそうだ。

「営業で採用されている以上、転勤はあきらめている部分があります。転勤が嫌なら転勤がない職を選ぶしかないですよね。それか、営業でなく管理部門などで採用にならないと。

 でも、さすがにこんな遠い場所に飛ばされるとは思っていませんでした。マイホームには半年だけ暮らしました。僕一人で単身赴任という手もありましたが、そうなると地方での家賃とローンの二重払いになってしまうので、家族で一緒に地方に行くことを選び、買った家は今は人に貸して家賃収入を得ています」

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