「民泊への規制強化を喜ぶのは“違法業者”ばかりです」…専門家が明かす「閉鎖」「禁止」が民泊問題の解決に繋がらない理由 「悪質な業者は徹底的に排除してほしい」

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外国に居ながら管理を任せる

 宮田氏によると、違法民泊の問題が特に顕在化しているのが「京都」と「新宿」の2大都市だという。実際、筆者の友人のデザイナーが住む、新宿区の新大久保に近いマンションには、違法民泊の業者が入り込んでいるようでトラブルが多いと聞く。いったいなぜ、トラブルの解決が難しいのか。宮田氏がこう話す。

「トラブルを起こしている民泊のホストは外国人が圧倒的に多く、実態をつかみにくい。というのも、彼らは物件を日本に持っていますが、拠点は外国に置き、日本にいる現地スタッフに管理を任せているからです。したがって、物件のオーナーの連絡先が簡単にわからない。管理者と思われる人に聞いても、“自分は掃除を頼まれているだけだ”と逃げられてしまうのです。

 こうした違法行為やトラブルが近年の外国人排除の動きとも重なり、近隣住民からの苦情が絶えません。そこで、問題が起こっていない地方都市でも、予防的な意味で先んじて民泊を条例で規制しようとしています。しかし、条例の内容が、根本的な解決に結びつくものになっていないのです」

 宮田氏によると、東京都の大田区や板橋区などは、“区内全域”で平日の民泊を規制しようとしているのだという。台東区では10月1日から条例が施行され、既に規制が始まっている。居酒屋やラブホテルなどが集中し、もともと騒音が大きい商業区域でも“民泊だけはダメ”という、ちぐはぐな状況になってしまっている。

騒音とゴミの問題は解決できる

 ここまで厳しくなると困ってしまうのは、前述のように、民泊を既に開設して真面目に取り組んでいる事業者と、開設に向けて準備を進めていた事業者である。「新宿区は、住居系の地域では2年後には民泊が一切禁止となってしまいます。せっかく設備投資したのに、強制的に閉鎖に追い込まれるのは、いかがなものでしょうか」と、宮田氏は憤る。

「民泊が規制される最大の理由は、騒音とゴミの問題です。しかし、騒音問題は先進的な民泊ではセンサーを取り付けて対策しており、遠隔で宿泊者に注意することができるようになっています。様々な制限を加えるより、センサーの設置を義務付けたほうがいいんですよ。

 ゴミ問題も、ストッカーを物件の入口に設置して回収し、事業者が分類すればいい。それだけで大抵の問題は解決します。しかし、民泊は悪い問題ばかりがクローズアップされがちなので、漠然とした不安をもつ住民も少なくありません。そして、そうした声を受けた地方議員や首長が、選挙の際に民泊を“仮想敵”のように扱っていたりするのです」

 しかし、どんなに条例を制定して規制をかけても、違法事業者にとってはそんなものはどこ吹く風である。宮田氏は、「地域住民と協力関係を築いている、真面目な民泊がほとんどです。そうした施設にお金が入るようにすべきなのに、このままでは違法事業者の天下になってしまうのではないか」と懸念を示す。

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