「彼女に脅迫されている」25年前の元恋人から届いた手紙を読んで過呼吸に… “ある一文”が50歳夫の家庭を壊しかけた
河合岳人さん(50歳・仮名=以下同)は、幼いころに父親が女性と失踪し、母親の実家で育った。大学を卒業して就職した先で出会ったのが、8歳年上の既婚女性・優美さんだった。仕事のできる優しい先輩だったが、彼女の夫は嫉妬深く、優美さんに暴力をふるっていた。やがて、岳人さんと優美さんは不倫関係に。夫から離れようとしない優美さんは次第に追い詰められ、死を口にするようになった。岳人さんも「一緒に死ぬ」と思い詰め、深夜の神社で2人は心中を図ったものの、ともに命を取り留めた。その翌週、優美さんは突然会社を辞め、連絡が取れなくなる。岳人さんも転職を決め、新しい人生を歩み始めた。
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【前編を読む】8歳年上の人妻上司の腕に“大きなアザ”が…「彼女を守らなければ」 深夜の神社で“心中未遂”に至るまで
転職した先はベンチャー企業に近く、若い社員が多かった。仕事をがんばればがんばるほど収入も上がり、一時期は毎日が祭りのようだったという。
「その後、合併などがあって社内システムは変わり、上を目指すだけではなく企業としてどうあるべきかという落ち着いた会社になってきましたが、今でもエネルギーに満ちていますね」
30歳のとき、当時つきあって8ヶ月ほどの美帆さんの妊娠がわかり、彼はすぐに婚姻届を提出した。美帆さんは、その会社に誘ってくれた先輩の妻の親戚だった。先輩の家に他の同僚とともに食事に招かれたとき、美帆さんも同席していた。話し方が穏やかで、岳人さんの話もじっと聞いてくれた。聞くだけでなく、うまくその先の話を引き出してくれるのが印象的だった。
「先輩に、美帆さんとつきあいたいと言ったら驚いていましたね。そういう意図はまったくなかった、ただ妻の親戚がたまたま来ていただけだったから一緒にと思っただけなんだ、と。美帆さん本人に意思を尋ねてほしいと頼んだら、いい返事が来たんです」
つきあってみると予想通り、美帆さんはありがたい存在だった。冷静で感情がフラット、なのに茶目っ気もあって基本的に楽観的だった。もちろん、過去のことは話せなかったが、同い年の美帆さんとなら何があっても支え合えると感じた。
妻と2人の娘に恵まれて
結婚して半年足らずで娘が生まれた。単純に「かわいかった」と岳人さんは言う。3年後に生まれたのもまた娘だった。
「女性3人に囲まれた生活」はにぎやかで楽しかった。子どもの笑顔さえ見られれば、他の問題はすべてたいしたことではなくなった。
「いろいろありましたよ。双子の弟たちはひとりが海外へ行ってしまい、今も海外暮らしです。もうひとりは母への敬意から看護師になりました。同じ病院で知り合った看護師と結婚したんですが、彼女と母の折り合いが悪く、母はずっとひとり暮らしをしていました。こっちに来るかと話したこともありましたが、私はひとりでいいって。その母も10年ほど前に亡くなりました。近所の人が見つけてくれたんですが、亡くなって数日たっていたそうです。その前日に美帆が電話をしたときはなんともなかったらしい。美帆は『私が気づいてあげられなかった』と言っていたけど、そういうことはどうしようもない、気にすることはないと言いました」
どうにもならないことは世の中、多々あるのだからと岳人さんはつぶやいた。美帆さんは「あなたってときどき哲学者みたいになる」と言ったそうだ。過去の傷が疼くのはそんなときだと岳人さんは言う。
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