体力が10歳若返る魔法の運動「インターバル速歩」とは? 生活習慣病の指標は20%改善

ドクター新潮 ライフ

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週120分で効果は頭打ちに

 この「3分+3分」のインターバル速歩をどれだけこなせばいいのかといえば、1週間で合計120分(速歩60分、ゆっくり歩き60分)です。面白いことに私たちの研究では、インターバル速歩の効果は週120分で頭打ちとなることが分かっています。それ以上やっても、得られる効果は変わらないのです。同時に、週に120分行えば、それが毎日コツコツと積み重ねての120分であろうと、1日おきであろうと、はたまた一気に120分であろうと、効果に差がないことも分かっています。

 ですので、あえて時間を設けなくても、例えば買い物に行く時や通勤中などにインターバル速歩を取り入れ、週に120分を稼げばいいことになります。ジムに通うなどのお金がかからない上に、いつでも、どこでも手軽に取り組めるのが、インターバル速歩の大きな魅力の一つといえます。

高齢者でも怯む必要なし

 そう言われても、ただ歩くのではなく、ちょっとキツい歩きをするのは、若者はともかく足腰の衰えた高齢者には、1回3分とはいえ難しいのではないか。いま本稿を読んでいる高齢読者の中には、そう感じる人もいるかもしれません。

 しかし、高齢者であっても全く怯(ひる)む必要はありません。繰り返しになりますが、インターバル速歩のポイントは“ちょっとキツい”点にあるわけですが、そのキツさの定義を思い出してください。「個人の最大体力の70%」です。この70%とは“自分基準”であって、30キ ログラムのダンベルを上げたり、500メートルを5分で歩いたりというような絶対的な数値ではありません。あくまで「自分の精いっぱいの70%」の速さで3分歩けばいいのです。当然、体力が衰えた高齢者と若者とではスピードは変わってきますが、それで全く問題はないわけです。

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