体力が10歳若返る魔法の運動「インターバル速歩」とは? 生活習慣病の指標は20%改善
体力的に10歳若返る
まずは、私たちが20年超にわたって研究を積み重ね、1万人近くの人に実践してもらい実証された科学的データを基に、インターバル速歩の効果を紹介したいと思います。
○体力が約10%向上する(体力的に10歳若返る)。
○血糖値、肥満度などの生活習慣病指標が20%程度改善する。
○インターバル速歩開始後5カ月で下の血圧が5ミリHg低下するが、これは、今後5年間に循環器系疾患になる確率が40%低減するといわれている。
○体がみずみずしくなって美肌になり、発汗も促進される。
○脳血流が改善されることによって、海馬の神経細胞の再生が促され、認知機能の維持・向上が図られて認知症の予防に役立つ。これには神経細胞の再生を促すBDNF(脳由来神経栄養因子)というタンパク質の増加が関与すると考えられる。
○精神が安定する。これには「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが関与すると考えられる。
○腰椎や大腿骨の骨密度が上昇する。
下肢の筋肉が重要な理由
ざっと挙げただけでも、これほどの健康効果が科学的に明らかになっています。では一体、インターバル速歩の何がこのような健康効果をもたらすのでしょうか。そのポイントこそが、「苦」と「楽」の間、すなわち“ちょっとした負荷”です。
体力とは、筋力(パワー)と持久力(スタミナ)の総合力です。仕事や家事で突発的に力を出すパワーと、それを継続的にこなせるスタミナのどちらが欠けても疲労を感じやすくなってしまい、健康的な生活を送ることは難しくなります。
体力を維持・向上させ、疲れにくい体を作るためには、全身にくまなく血液を行き渡らせ、酸素や栄養素を体の隅々に運ぶことが不可欠です。
ところが、全身に血液を送るのは心臓ですが、立っている状態だと血液全体の70%が心臓より下に位置し、本来なら血液は心臓に戻ってきません。これを防ぐために下肢の筋肉の収縮によって、人体のポンプである心臓にまで血液を押し上げなければなりません。これによって良好な血液循環が生まれるのです。
従って、下肢の筋肉の力を鍛えることが重要になります。下肢の筋肉は全身の筋肉の60%を占めますから、それが全部収縮した時の代謝量は高く、心肺機能など全身の機能も改善します。
[2/6ページ]

