じつは意外に多いヤクザの自殺 2つの実例から見えてくる根本的な原因とは

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失われる「生きる場所」

 繰り返すが、銀行口座もスマホも持てず、職にあぶれ、社会的につまはじきにされて路頭に迷えば、自殺の二文字が頭にちらつくのも充分理解できる。識者や役人は「暴力団を辞めればいい」と説くが、簡単に辞めることができない暴力団員もいる。まさに生きる場所を失って、暴力団員が自殺をすれば、数字的に暴力団員の総数が減って、社会秩序や治安維持が達成できたと喜ぶことは、単なる国家的狂気という社会病理の進行を助長するだけではないだろうか。

藤原良(ふじわら・りょう)
作家・ノンフィクションライター。週刊誌や月刊誌等で、マンガ原作やアウトロー記事を多数執筆。万物斉同の精神で取材や執筆にあたり、主にアウトロー分野のライターとして定評がある。2020年に『山口組対山口組』(太田出版)を上梓。

【相談窓口】

・日本いのちの電話連盟
電話 0570・783・556(午前10時~午後10時)
https://www.inochinodenwa.org/

・よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
電話 0120-279-338(24時間対応。岩手県・宮城県・福島県からは末尾が226)
https://www.since2011.net/yorisoi/

・厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」やSNS相談
電話0570・064・556(対応時間は自治体により異なる)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_info.html

・いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧)
https://jssc.ncnp.go.jp/soudan.php

デイリー新潮編集部

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