高齢者は免許返納しない方がいい? “弱い高齢者”にならない秘訣を専門家が伝授

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老後を見据えた人間関係を

 私は高齢者専門の精神科医を務めながら、病気になっても常に病室に家族や友人、後輩らが訪れて、多くの人に慕われている高齢者に憧れてきました。こういう人には、会社などで現役を退いてからも崩れない人間関係があるのです。また、こういう人は周囲の人たちとの交流を通じて、前頭葉をはじめ脳も刺激され続けています。

 ですから、まだ間に合うなら、現役のうちに老後を見据えた人間関係を築くといいと思います。

 しかし、こうしたことが、2年余りのコロナ禍で白紙になってしまいました。出かけなくなり、人と会えなくなって老け込んだ人が、どれほど多かったか、考えてみてほしいと思います。

 それを予防するには、意識してメンタルヘルスを保つことが大事です。Zoomなどは70~80代でも意外と適応できるので、始めてみるのはお勧めですし、昔ながらの長電話も有効です。意識して人と関わり、日にあたってセロトニンを増やす。そうした一つ一つのことが「負け組」にならないために重要なのです。

和田秀樹(わだひでき)
精神科医(老年医学)。1960年大阪生まれ。東京大学医学部卒。和田秀樹こころと体のクリニック院長、国際医療福祉大学大学院特任教授。高齢者専門の精神科医として30年以上、高齢者医療の現場に携わっている。『「人生100年」老年格差 超高齢社会の生き抜き方』(詩想社)など著書多数。

週刊新潮 2022年3月31日号掲載

特別読物「人生100年時代はバラ色? 灰色!?  お金がなくても『老年格差』で『負け組』にならない」より

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