高齢者は免許返納しない方がいい? “弱い高齢者”にならない秘訣を専門家が伝授

ドクター新潮 健康 長寿

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健康診断より大切なものは?

 コレステロール悪玉論を気にして、健康診断の結果に一喜一憂するのも、勧められません。健康を気にするなら、むしろ心臓ドックや脳ドックのほうが、急死を避けられるという点で有用でしょう。コレステロールの蓄積を示す脂質などの数値を気にするあまり、粗食になって老け込んでしまっては元も子もありません。一般的に、高齢になったら少しふくよかなほうが、健康的でいられます。

 また、免疫機能の維持にもタンパク質は有効で、コレステロールも免疫に寄与するといいます。日本人の死因に多かった脳出血は、かつてより少なくなりました。タンパク質の摂取で脳の血管が強くなったからだと思われます。また、戦前の日本は結核で亡くなる人が多かったですが、戦後、米国が脱脂粉乳を導入すると、一気に解決しました。健康長寿に栄養が影響することの証左で、それなのに肉を控えるなど無用の節制をすれば、かえって老化を促してしまいます。

男性ホルモンを増やすことの重要性

 コレステロールは男性ホルモンを増やすためにも有効で、実は男性ホルモンも、健康寿命の維持に大きくかかわっています。男性の場合、加齢とともに男性ホルモンが減少し、それに伴って性欲だけでなく、さまざまな意欲や人間関係を維持することへの興味、記憶力なども低下することがわかっています。

 逆に、女性は年を取るにつれ、男性ホルモンが絶対量としても増えていくことが、東日本大震災後に被災地で行われた調査からわかっています。高齢の女性は団体旅行などに生き生きと参加するのに対し、男性は定年後にぬれ落ち葉のようになってしまう人が多い原因がここにあります。

 カキやニンニクなどを食べて亜鉛を摂取することは、男性ホルモンを増やす方法の一つです。精がつくといわれる食材には、それなりの理由があるのです。ポルノに触れるのも有効ですし、運動一般も男性ホルモンを増やすことにつながります。男性ホルモンの減少が顕著だと感じられる場合は、病院に行ってホルモン充填療法を受けるのも、一つの手でしょう。栄養ドリンクなどを飲むよりは、よほど有効だと思います。

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