45歳男性は「同じ女性と3回結婚」 自らの浮気で訪れた3度目の離婚危機の結末

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33歳で復縁したが…

 ふたりは娘が小学校に上がったのを機に、復縁した。33歳のときだ。志津子さんはますます仕事にのめり込んでいたので、彼は毎日のように定時に帰って娘と過ごした。自分にとって「仕事は生きがいではない」と感じていたという。

「おそらく志津子はそんな僕を『男のくせに情けない』と感じていたんでしょう。一般的にはセクハラだと言いたくなるような言葉ですよね。彼女、まるで昭和の男みたいなところがある。自分ががんばって仕事をして、それなりに出世もしていたから、努力は必ず報われると娘にもよく言っていたし、『男に威張らせちゃダメよ』とも言っていた。もうちょっとマイルドな言い方や、対等、平等ということを教えていこうよと提案したけれど、彼女は『あなたがそんなこと言える立場じゃないでしょ』って。言い方は軽くて明るいんですが、言われた僕はすねに傷があるから、そのたびに落ち込む。そうすると『また小さいことで落ち込んで……』と。ただ、現実的には僕が定時で帰って家事をしたり娘と過ごしたりしたほうが、志津子にとっても都合がいいので、仕事に邁進しろとは言われませんでした」

 昭和の苛烈な働き方をしていたサラリーマンのような志津子さん、つきあいだ接待だと飲んで帰ることも珍しくなかった。そのうち、なんとなく様子がおかしいことに裕弥さんが気づいた。

「酔って帰って、ひとりで泣いていることもあればニヤニヤしていることもある。心ここにあらずな状態の時期がありましたね。適当なタイミングで『浮気しているんでしょ』とカマをかけたら、ギクッとしていました。高校時代の仲間のひとりが僕に連絡をくれて、『志津子が若い男と真っ昼間、ホテルから出てくるのを見ちゃったんだけど大丈夫?』って。その友人は、たまたま仕事でホテル街を通って見かけたそうです。誰にも言わないからと言われたけど、僕としてはやっぱりという感じでした」

 証拠を集めて志津子さんを追いつめるようなことはしたくなかった。お互いを必要だと思ったから再婚したのだ。妻を信じたかった。だが、さすがに外泊したときは黙っていられなかった。

「娘が心配して、『ママ、事故にあったんじゃないの? 警察に連絡した?』って。僕も心配になって深夜に警察に電話をかけて相談しました。管轄では交通事故はないと言われましたが、地元で事故に遭うとは限りませんからね。一睡もしないでいたら、朝、『ごめん、今日はこのまま出社する』とやっとメッセージが来た。心配している娘の気持ちも考えろとだけ返信しました」

 その日、帰宅すると珍しく妻がキッチンで料理を作っていた。娘もまとわりついている。なんだかんだ言っても娘は母親が好きなのだ。久しぶりに妻の料理を食べた。自分が作ったほうが味としてはおいしいと思ったが、妻の料理は格別だった。

「ママもやればできるじゃん、と娘が言うと妻は大爆笑。『ごめんね。ママ、仕事ばかりしていて』と娘に謝っていましたが、オレは娘と違う、騙されないぞと思っていた」

 その晩、妻に迫ったがかわされた。「若い男とつきあってるの?」と聞くと、ありえないと一笑に付された。

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