男に捨てられホストクラブにもハマった31歳女子が自己肯定できた瞬間

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 2018年に東洋経済オンラインで最も記事が読まれ、新書『発達障害グレーゾーン』が発売1ヶ月で4刷の気鋭のライター・姫野桂さんが「女性の生きづらさ」について綴る連載「『普通の女子』になれなかった私へ」待望の第2回です。今回のテーマは「30代成人説」。現在、日本の法律上では二十歳で成人と認められますが、実際には二十歳を過ぎてもなかなかオトナになりきれないもので……。

2万くれればセンスの良い服買ってきてやるよ

 女性は24歳までしか結婚できるような性的魅力がなく「女はクリスマスケーキ」(24歳過ぎると結婚が難しい)なんて言われていたのはとうの昔。大晦日の31日に例えて「年越しそば」なんて言われた時期もあったそうだが、その価値観も今はガラガラと崩れ落ち、これらの比喩すら知らない人もいるのではないだろうか。そして私自身はクリスマスケーキ年齢を過ぎ、今現在は年越しそば年齢の31歳。今年の9月で32歳を迎える。

 これはお世辞であると思うが「20代かと思ってた」と言われることは多い。そりゃ、金髪でカジュアルな格好をしていたらそう見える可能性もあるし、何より今は美容の技術が上がり、個人差はあるが高級な基礎化粧品を使用しなくてもそれなりの容姿を保てる。最近、美容皮膚科や美容外科の競争も激しいのか、メスを入れるような大掛かりな手術でない限り、安価で美容サービスを受けられるところが多い。実際私も、美肌効果と疲労回復効果を得るため、1本500円のプラセンタ注射に週2回通っている。

 しかし、どんなに見た目年齢が若く見えようが、やはり実年齢を重視している男性がいることは確かだ。

 私が連載の第1回目で書いた、1年半に渡ってモラハラを受けてきた男性――仮にR氏としよう――は最終的には20歳も年下の美大生の彼女を作った。

 その際は、やっぱり若さと、そして私には持ち合わせていない芸術的センスを求めていたのかと落ち込んだが、彼と共通の友人経由でよくよく探りを入れてみると、私の前には30代後半の女性に手を出し、やはり私と同じように傷つけて彼女のメンタルをボロボロに追いやっていた。その前には女子大生と付き合っていたと聞いた。

 彼にとってあまり年齢は関係なく、相手の女性よりも自分自身が大好きで、自分の都合の良いように解釈して支配できる女性が好物の、正真正銘のヤリチンクズ男だったのだと推測している。

 前回の記事で詳細に書いたが、R氏からは私のファッションを散々ディスられた挙げ句「2万くれればセンスの良い服買ってきてあげるよ。付き合ってないから一緒に買い物には行けないけど」と言われたことすらある。当時は自分がとんでもなくおかしな格好をしていると思っていたので「2万用意するので頼みたい」と願い出ると、「え、本気にしたの?」と鼻で笑われた。

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