男に捨てられホストクラブにもハマった31歳女子が自己肯定できた瞬間

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孤独と依存はセットである

 中国の孔子の有名な格言に「子曰く、吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う。七十にして心の欲する所に従いて矩(のり)を踰(こ)えず」がある。

 平均寿命の短い時代を生きた孔子でさえ、30歳でようやく自立できたと言っている。30代成人説は孔子の言葉とも言えそうだ。

 精神的に自立できていないと、様々な弊害、時には人生の破滅へ向かうこともある。以前、作家の中村うさぎさんと精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳先生のトークイベントに参加した際、うさぎさんは会社員時代、経済的には自立していたが、「孤独」という病に侵されていたと語っていた。そのため作家デビュー後、買い物依存症に陥り、最終的には出版社から印税を前借りしてブランド物を買い漁る生活にまで堕落してしまった。
 
 孤独と依存はセットなのだ。大先輩作家であるうさぎさんに自分を重ねることは大変恐縮ではあるが、以前の私の唯一誇れたことは「若手ライターにしては仕事ができること」だった。会社員時代のうさぎさん状態である。私にできることはライターという仕事しかなかった。仕事ができる自分に陶酔し、そしてもっと仕事を頑張れば収入が増えて、愛だってお金で買えるかもしれないとホストクラブに通ったこともあった。

 しかし、ホストたちが求めている額のレベルは違った。3〜4万しか使わない客には最低限のサービスしかしてくれない。コンビニで買えば1缶105円の「カロリ。」がホストクラブという名のディズニーランドでは4缶で3万円に化ける。300万のシャンパンタワーでも積まない限り、私が求めている、チヤホヤしてくれるホストなんていないのだ(そうではない、細客をこまめに大事にする営業法のホストもいるけれど)。

※細客(ほそきゃく)→ホストクラブ用語で、あまりお金を使わない客のこと

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