高学歴信者を心酔させた「オウム麻原」マインドコントロール術、4つのカギ

社会週刊新潮 2016年8月23日号別冊「輝ける20世紀」探訪掲載

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禁断の果実

 こうしてスーパーエリートを獲得していった麻原。しかしそんなオウムにも転機が訪れる。90年2月、衆議院選挙に打って出たが、むろん全員落選の大惨敗を喫した。自らの権威が失墜することを怖れた麻原は、「オースチン彗星が接近し、天変地異が起こる」と予言し、信者らに出家を促す石垣島セミナーを開催。この間、東京に残った新実智光らに、皇居や国会周辺でボツリヌス菌をばらまかせた。天変地異の自作自演を試みたのだが、結局、これにも失敗した。

「組織拡大に行き詰まり、ますます焦燥感を募らせた麻原は、ついに禁断の果実に手を出します」

 と語るのは捜査関係者。

「信者に暗示をかけるために睡眠薬を使ったイニシエーションを行った。またより強烈な神秘体験を起こさせるため、幻覚剤のLSDやメスカリンを飲ませる『キリストのイニシエーション』を開催しました。さらには覚醒剤も混入するなど薬物イニシエーションはどんどんエスカレートした。こうして強い超常現象を創作し、手っ取り早く出家信者を増やそうとしたのです」

 猜疑心や危機感を募らせた麻原。その暴走の最果てに、教団が行き着いたのが、首都圏を阿鼻叫喚の地獄絵図に塗り替えた地下鉄サリン事件だったわけである。

 もっともオウムは自滅したとはいえ、その後継団体は未だに残り、信者も多く存在している。それはカルトが持つマインドコントロールプログラムのインパクトの強さの証左でもある。

特集「『オウム真理教』最大の謎を完全解明する! 『麻原彰晃』はいかにして『超高学歴信者』を心服させたか?」より

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