グリ森「キツネ目の男」はおとり役だった? 公開されなかった“モンタージュ写真”

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残されていない「モンタージュ写真」

 むろん、だからといって、似顔絵の精度があやしいものになるというわけではない。他人の顔のパーツを寄せ集めて作るモンタージュに限界があるのも事実だ。それにしても、まったくの別人になったのはなぜか。まして一般の人の目撃証言などがもとになっていたわけではなく、捜査のプロである警察官が直(じか)に見ていたにもかかわらず、である。

「その理由は正直、よくわからない。ただ、例えば、目の部分はみんな同じでも、鼻や口、あるいは輪郭が少し違っただけでモンタージュだと別人になってしまう。写真というのは曖昧さを許さないから、完成度の高いモンタージュを作ることはとても難しいんです」

 とは、「キツネ目の男」を見た別の捜査員。前出の特殊班幹部も、こう話す。

「実は、手配画像については、顔の特徴を捉えた似顔絵の方がいいのです。曖昧さが残っている分、些細な表情の変化にも捜査員は対応できるし、公開時に寄せられる情報も多くなります。7枚のモンタージュ写真については、公開するわけにもいかず、捜査資料として残してもいません」

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