小林麻央さんも頼った「代替医療」について考える

芸能2017年7月6日掲載

 34歳の若さで亡くなった小林麻央さん。幼い子ども2人を残してこの世を去る心中は察するに余りあるが、「標準治療を選んでいれば助かったのではないか」と、その死を惜しむ声があがっている。乳がんそのものは手術での除去に加えて、放射線治療・抗がん剤・ホルモン療法・分子標的治療薬を組み合わせる“セオリー通り”の標準治療を行っていれば、5年生存率が90%を超えたとされる。

 先週発売の週刊新潮(7月6日号)では、麻央さんが気功に頼っていたという関係者の証言が報じられているが、事実、麻央さんのブログでは気功のほか、マッサージ、サプリメント、温浴療法、酵素風呂などの言葉が散見され、夫・海老蔵のブログからも長女・麗禾ちゃんや長男・勸玄くんをともなって気功に通っている様子が窺える。

 麻央さんはブログに〈マッサージをしたり気功をしたりサプリを飲んだりしても!「私は本当に身体が鈍感だから効果がまだよく分からないの」が口癖でした〉と綴っているが、思ったような効果が得られなかったことが示唆され、苦しい胸中が垣間見える。

 現代の科学では効果が検証できていない治療法を総称して代替療法と呼ぶ。英国の科学ジャーナリスト、サイモン・シン氏は著書『代替医療解剖』のなかで、鍼・ホメオパシー・カイロプラクティック・ハーブ療法という代表的な代替医療を、その起源から現状まで徹底取材し、科学的な評価を加えている。またオステオパシー(整骨療法)やコロンセラピー(結腸洗浄)、酸素療法、医療用ヒルなど新奇な治療についても丁寧に検証している。 そのうえでこうサイモン・シン氏はこう語る。

「代替療法は大繁盛しているが、多くの場合は誤った考えを抱いてしまったセラピストによって、ときには大衆を食いものにするニセ医者によって、人びとは繰り返しまどわされている。今こそまやかしがはびこるのを食い止めて、本物の治療法を優先させるべきときではないだろうか」

 歴史的にみれば、代替医療として広まったのち通常医療に受け入れられた治療法が数多く存在しており、そのメカニズムが未来において証明される療法もあるだろう。代替医療が患者の心理的な苦痛を緩和するケースがあることも否定できない。しかし、導入にあたってはしっかりとその療法のリスクと現在時点での科学的評価を確かめることが重要だ。