秋ドラマ「ベスト10」 圧勝「VIVANT」 良作そろった「箱根駅伝」「LOST10」「いろはの恋」「ポリティカルパン」

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全体的に高い個人視聴率

 秋ドラマがほぼ出そろった。7月に始まったTBS「VIVANT」(日曜午後9時)を含めると、プライム帯(午後7~10時)に16本ある。どのドラマが見られているのか。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】

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「VIVANT」は一瞬たりとも退屈させない。無駄な場面がなく、画面にも隙がない。全体のストーリーは常に予想を覆す。既存のドラマとは大きく異なる。断トツの視聴率も不思議ではない。

 海外では人気薄だが、その理由もほぼ分かっている。作品に非はない。ベテランのドラマ制作者が解説する。

「私も面白いと思う。ただ、海外の人には日本人の顔の見分けがつきにくい。そのうえテンポが速いので、理解するのが難しいのでしょう」

 それでも日本での個人視聴率が記録的なことに変わりはない。

 以下、個人視聴率ベスト10である(ビデオリサーチ調べ、10月14~20日)。なお、テレビ局もスポンサーも個人視聴率を用いている。視聴者の人数さえ分からない世帯視聴率は、もはや使われていない。

(1)TBS「VIVANT」10.9%、18日放送の第21回
(2)日本テレビ「俺たちの箱根駅伝」(土曜午後9時)5.5%、17日放送の第2回
(3)TBS「LOST10」(金曜午後10時)5.0%、16日放送の第1回

 スポーツドラマの制作で最大の難関は、競技をどう再現するか。野球もサッカーもそう。競技場面にリアリティーや迫力がなければ、見応えがなくなる。

「俺たちの箱根駅伝」の場合、学生連合チームの一員として箱根路を走る明誠学院大・青葉隼斗役の小林虎之介(28)らの走りが、初心者に見えてしまえば、興ざめする。

 その点、このドラマは神奈川大陸上部の大後栄治部長が走りの指導を行ったから、小林らの姿に不自然さはない。大後氏はコーチ、監督として、1997年、98年の同大の箱根駅伝連覇を支えた名将である。

 もう1つ難関がある。スポーツドラマは地味になりがちだ。競技ばかり映していたら、スポーツ番組と変わらなくなってしまう。この問題は、大日テレビで駅伝中継を担当するチーフプロデューサー・徳重亮(大泉洋)を主人公に据えたことで、解決している。舞台が2つあることで、見応えが増した。

 原作者の池井戸潤氏は、企業とスポーツを地続きで描く名手だ。今回の「テレビ局」と「駅伝」は一見、水と油だが、その本質は近い。どちらも個々の力が一つに結集することで、大きな成果が得られる。2つの舞台が融合しているのが成功の理由だ。

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