02年「替え玉殺人」で指名手配「中国人妻」 逃亡生活5年を見ていた“内縁の夫”の告白「アイスピックで首を刺されたこともある」
内縁の夫が明かした逃亡期間中の尹
第1回【日本人夫は失踪、“替え玉”2人は病死とバラバラ遺体…「中国人妻」が指名手配後に訪れた温泉街とマスコミに送った釈明の手紙】を読む
2007年10月17日、指名手配から5年以上の逃亡生活を送っていた51歳の女が逮捕された。中国人の尹麗娜(いん・りな)。替え玉の男性を殺害して元夫の死亡を偽装、嘘の内容で公的書類を提出、そして元夫の財産を奪うという冷酷な「替え玉殺人」の犯人である。「週刊新潮」のバックナンバーでこの冷酷な事件を振り返る第2回は、5年以上にわたった逃亡生活中、尹と同棲していた内縁の夫の証言などを伝える。
(全2回の第2回:「週刊新潮」2002年5月30日号、7月11日号、2007年11月15日号を再編集・加筆訂正しました)
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話術の巧みさには舌を巻いた
2007年10月17日、大阪府警は東京都江東区で尹を逮捕した。このときの尹は、同区内で日本人男性Eさんと同居中。尹はEさんに「台湾出身の孫永麗(そん・えいれい)」と名乗り、「エリ」と呼ばれていた。
Eさんは自宅を訪問した大手新聞の記者から「尹麗娜」の存在を聞いた。が、彼が生活を共にしているはずの相手は「孫永麗」のはず。寝耳に水の状態で指名手配の写真を見せられたEさんは、「頭が真っ白」になったという。
「でも、心情的にはアイツのことを庇いたかった。まさかほら、捕まった後だとは知らないじゃない、俺は。だから、見覚えはないって咄嗟に嘘をついた。それからすぐに家を出て、友人の家に行った。すべてを知ったのは、翌朝だ」(Eさん、以下同)
Eさんによると、尹は江東区の門前仲町に流れつき、2002年の秋ごろから無許可のおでん屋台を始めた。Eさんは職場の倒産を受けてホームレス同然の生活だったとき、おでん屋台の売り子を通じて尹と知り合う。やがて男女の関係となり、二人三脚で屋台業を拡大させていった。
「ただ、所詮アウトローの商売だからなかなかなり手がいない。ホームレスにも声をかけたよ。エリの話術の巧みさには舌を巻いたね。『お体大丈夫ですか。タバコ、いりますか』。エリが話しかけると一発だった」
「警察に対する反応がおかしい」と
Eさんが見ていた尹は「ほとんどの時は優しい女」だった。タバコは吸わず、ギャンブルもやらず、楽しみといえばたまに行く健康ランド。白昼に手をつないで買い物に行くこともあった。面倒見が良く、屋台の売り子たちのために帽子やマフラーを編んでいたという。
「ただ、その反面、キレた時も半端じゃない。家だけじゃなく、公園とかでも取っ組み合いの喧嘩を何回したかわからない。アイスピックで首を刺されたこともあるんだから」
尹がキレる原因は多くが嫉妬だった。屋台の常連だった女性との関係を疑った末、風邪をひいたEさんに薬と称して睡眠薬らしきものを飲ませ、工具で頭を殴りつけたこともあった。
「警察に通報され、パトカーが来たのも1回や2回じゃない。でも、パトカーが来るまでに、いつのまにかエリはいなくなってるんだ」
「警察に対する反応がおかしい」とEさんに指摘された尹は、「私は台湾人で不法滞在だから、見つかったら強制送還される」と返していた。
「確かに、あいつは外国人登録証もパスポートも持っていなかったから、その説明には納得させられてしまったけれど、今思うと、相当怯えていたんだな。よく、寝ている時にうなされていたよ。突然起き上がって、『ゴメンナサイ』って泣くんだよ。あとは中国語でワーッと何かを叫んでいたり」
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