「不登校になっても勉強はさせたい」親の思いが子供をさらに追いつめる フリースクール選びを間違えると「心を病む」深刻な実態

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学力重視のフリースクールで「子供が壊れた」

 これとは反対のことが、マンガ『教育虐待』で描かれたケースだ。先ほどの教員の言葉である。

「高額な料金を取っているフリースクールほど、学習させることを目的としています。学習塾によって作られた営利目的のフリースクールなんかが良い例です。

 親にすれば、学校へ行かないなら、せめて勉強をしてほしいと思う。だから親にはこういったフリースクールがすごくウケがいいんです。

 でも、子供たちの中には親からの教育虐待が原因で不登校になっている子たちもいます。そういう子たちが、フリースクールに来てまで勉強を強いられると、さらに追いつめられて心を壊すことになるのです」

『教育虐待』で取り上げたのも、親に中学受験を無理やりやらされて、私立校に合格したものの、そこで心を病み、不登校になった生徒だった。

 この親は、子供が不登校になった時、「教育費にお金をかけたのだから、絶対にドロップアウトさせない」と考えた。そして学力を付けることを重視するフリースクールに放り込んだ。それによって、子供は壊れてしまったのである。

 現代社会の中では、フリースクールはなくてはならないものになっているし、家族や子供にとっては人生を180度変える可能性を秘めた希望の場になっている。多様な子供を受け入れられるフリースクールも少なくない。

 ただ、今回見てきたように、フリースクールに入れればどこでもうまくいくと考えるのは間違いだろう。

 すべてではないものの、フリースクールの中には強い特徴があることを認識した上で、親が子供の特性や課題と照らし合わせ、最適なところを選ぶ必要があるのだ。

石井光太(いしい こうた)
1977年、東京生まれ。2021年『こどもホスピスの奇跡』で新潮ドキュメント賞を受賞。主な著書に『遺体 震災、津波の果てに』『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』『ルポ 誰が国語力を殺すのか』『教育虐待 子供を壊す「教育熱心」な親たち』など。『ぼくたちはなぜ、学校へ行くのか。マララ・ユスフザイさんの国連演説から考える』など児童書も多い。『ルポ スマホ育児が子供を壊す』(新潮社)はロングセラーとなっている。

デイリー新潮編集部

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