「大臣を辞めて収まる話ではない」 簗和夫・前農水相の裏の顔を元ライバルが語る 「地元では“モンスター”“クレーマー”議員と呼ばれていた」
簗和生(やな・かずお)農林水産相(47)が辞任した。高市早苗首相の肝いりで念願の初入閣を果たしたが、今年2月の衆院選で自身を支持しなかった自治体の予算を「カットした」と恫喝したことが明るみになり総スカン。“私の大事なヤナちゃん”とかばってきた高市首相からも「ダサい」と突き放され、自身がカットされることに――。
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そもそも「自分が掛け合って予算を上乗せした」と手柄を語るならまだしも、減額を恫喝のネタにするなど聞いたことがない。一体、どんな議員なのか。かつて同じ栃木3区で戦った渡辺喜美・みんなの党元代表(74)に聞いた。
渡辺氏:私が初めて簗さんとお会いしたのは、対立候補として2012年の衆院選を戦ったときでした。
――渡辺氏は“ミッチー”こと渡辺美智雄・元副総理(1923~1995)の長男として、栃木県西那須野町(現・那須塩原市)に生まれた。父の死後、栃木3区の地盤を継承し、1996年の衆院選に自民党から立候補して初当選。以来、圧倒的な強さを誇ってきたが、2009年に離党し、みんなの党を立ち上げる。そして、12年の衆院選で落下傘候補として自民党から送られてきたのが、東京生まれの簗氏だった。選挙結果は60・26%の得票を得た渡辺氏が勝利した。
渡辺氏:私が小選挙区、彼は比例区(北関東ブロック)で復活当選しました。当選後も地元の会合で顔を合わせるのですが、政治家というのは普通、印象に残るキャッチコピーを使ったり冗談を言ったりするのですが、簗さんからジョークを聞いたことは一度もありません。一方で“役人言葉”は非常に正確に話されます。良く言えば真面目、悪くいえば紋切り型の面白くない人間、というのが地元での共通した印象だと思いますよ。
――簗氏の恫喝発言をどう見ているのだろう。
「やっちまったな」
渡辺氏:「やっちまったな」という感じですね。簗さんは1年生議員の頃から、政治の流儀を無視した“ストレート戦法”の人でした。例えば、地元で道路関係の陳情を受けると、すぐさま国交省に電話してしまう。ところが、国交省は自治体からそんな要望を受けていないので県に問い合わせる。県もまだ把握していないので自治体に……と、行政が大混乱に陥ってしまうことがままありました。
――だが、14年に渡辺氏の金銭問題が発覚し、みんなの党は解党。この年の衆院選は簗氏が勝利、無所属で出馬していた渡辺氏は落選した。簗氏は17年、第3次安倍改造内閣で国土交通大臣政務官に就任する。
渡辺氏:当選を重ねるごとに、どんどん権力を身につけた。そして、自分の思い通りに事を運ぼうとしすぎた結果、応援してくれた地域に予算を“つける”だけではなく、応援してくれなかった地域の予算を“減らす”という考え方になっていったのでしょう。それらをすべて自分自身で表明する形で(予算カット発言が)露わになったわけですから、「やっちまったな」と思いました。
――もっとも、簗氏は「週刊新潮」が報じた「那須烏山市、那珂川町の令和8年度の道路予算については大幅にカットしました」との発言は渋々認めたものの、国交省に「問い合わせをした」だけで、“減らす”口利きをしたことについては否定している。実際のところ、一議員にそんなことは可能なのだろうか。
渡辺氏:彼が国交省に圧力をかけたかは分かりませんが、正直、「道路予算を削れ」と言う政治家は確実にいます。かつて二階(俊博)さんが「選挙をお休みした地域は予算もお休み」と言ったこともありますから、予算削減の働きかけ自体は存在すると思います。
――それは19年6月のことだった。
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