「大臣を辞めて収まる話ではない」 簗和夫・前農水相の裏の顔を元ライバルが語る 「地元では“モンスター”“クレーマー”議員と呼ばれていた」
二階・元幹事長も同じ発言
――「徳島新聞」(19年6月30日付)はこう報じている。
《自民党の二階俊博幹事長は29日、徳島市の徳島グランヴィリオホテルで講演し、土地改良関係の予算について「選挙を一生懸命頑張ってくれるところに予算を付けるのは当たり前だ」と述べ、参院選の選挙結果が国から地方への予算配分を左右するとの考えを示した。本来、予算は事業の必要性に応じて配分されるべきで、物議をかもす可能性がある。/講演には県内の土地改良区の関係者ら約200人が参加。二階氏は「われわれの方針と一緒にやってくれるところにはうんと予算を付けたいから、(選挙を)やってくれないところは予算も休ませてもらう。自民党はそれだけの責任があると同時に、そういうことをやらないと自民党の存在価値がない」と語った。》
簗氏と全く同じ発言だが、こちらは二階派を率いる自民党の派閥の長の発言だった。
渡辺氏:「簗さんみたいな小物にできるわけがない」という意見もありますが、彼はそもそも“クレーマー議員”と言われていましたからね。予算について役所にクレームをつけるとの話がしばしば聞こえてきましたし、一方で地元では政敵への攻撃が目に余る“モンスター議員”とも言われていました。その彼がはっきり「カットした」と言ったわけですから、私から見るとやりかねないという印象です。
――簗氏が予算をカットしたと名指しした那須烏山市、那珂川町の首長は、先の衆院選で自民党籍ながら栃木3区に無所属で立候補した渡邊真太朗氏を推していた。敵の味方も敵というわけだ。その結果、簗氏は渡邊氏に敗れ、比例でかろうじて復活当選したのだから、恨み骨髄だったかもしれない。とはいえ、それで国会議員をやっていけるのだろうか。
高市首相にも影響が
渡辺氏:政治の世界で人を動かす原理は3つ。「利益の供与」「脅迫」「シンボルの操作」です。この使い方が天才的に上手かったのは田中角栄さんですが、簗さんはこの原理を使って人を散り散りにしてしまいました。予算をつけるというのは「利益の供与」、予算を削るのは「脅迫」、自民党でないと予算は付かないというのは「シンボルの操作」。政治家失格です。
――党イメージを誤った方向に誘導してしまったということか。予算をカットされた自治体として名が上がった那須烏山市は14日に臨時市議会を開催し、簗氏に強く抗議する決議を14人中13人の賛成多数で可決した。
渡辺氏:簗さんを支持していた市議や県議が次々と離反しています。彼は自民党栃木県連副会長であり、栃木県第3選挙区支部長でもあるのですが、天下の自民党を背負っているのに系列の県議を持たないという極めて珍しい状況になる可能性が高い。県連上層部からも「支部長を変えないとダメ」という声が上がっており、対立候補の渡邊真太朗さんに替えたいようです。
――高市首相は簗氏を交代させたが……。
渡辺氏:もはや大臣を辞めたら収まりがつくという話ではなくなってきています。簗さんの大臣就任に当たっては、高市さんが役職希望アンケートを読み込んで一本釣りした。高市さんは政策通が好きなので、農政通で農政族の簗さんを高く買っていたのでしょう。それだけに自分で任命した“ヤナちゃん”を辞めさせるのは格好悪い。自分から辞めてほしいと思っていたんでしょう。でも、高市内閣は党内基盤がなく、世論の高支持率でなんとか動かしている状態です。支持率が落ちてきては交代させざるを得なくなったのだと思います。





