視聴率が2倍以上に爆伸び 珠玉の脚本、重量級キャスト…注目の政治ドラマ「ポリティカルパン」が面白い
名手の脚本は珠玉
フジテレビ「ポリティカルパン」(水曜午後10時)は、強いリアリティーが下地にある政界風刺劇。第1回を観た限り、名手・野木亜紀子氏(52)の脚本は珠玉。出演陣も重量級だ。
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第1回の個人視聴率は3.2%。仲里依紗(36)が主演した同じ放送枠の前作「Tokyo middle 30」の最終回(9月23日)は1.5%だったから、2倍以上に伸びた。
この物語はコミカルな政界風刺劇でありながら、シリアスな政界ドラマ以上のリアリティーを感じさせる。ストーリー展開にも引きつけられる。その脚本を演じる出演陣は実力派ぞろい。数字が急伸したのも不思議ではない。
主人公の女ルパンこと如月弥生(石原さとみ)は、首相官邸内の官房機密費を盗もうとしている。官邸に忍び込むのは至難。そこで、協力してくれる人間を政治家にして、手引き役にしようと考えた。
弥生が選んだのは小早川雅(河合優実)である。与党・国自党副総裁で元首相の小早川士郎(草刈正雄)の娘だ。毛並みは良い。だが、飲んだくれの不良娘である。
大泥棒と良家の厄介者という組み合わせ。相容れないはずの2人だが、そうではない。目標が同じなのだ。みんなを幸せにしたいのである。よく考えられている。
弥生は雅に対し、子供のころの夢をこう打ち明けた。「大泥棒になること」。盗んだ金を大好きな人たちに配り、幸せにしたい。義賊願望である。それは今も変わらない。
雅の夢は、純粋だった中学生のころまで、政治家になることだった。だが、父親の士郎ら政治家の実像を知って幻滅する。「あいつら腐っている」(雅)。
しかし、弥生が義賊になる夢を忘れていないと知り、衆院選への出馬を決断する。みんなのために社会を変えたい。まずは選挙制度改革だ。世襲を禁じたい。
この物語の舞台は架空の国・ニッポニア。国会議事堂の屋根の色なども本物とは違う。しかし、貧しくなった社会の様子や、政界内の出来事はほぼ現実だ。風刺劇は強いリアリティーがあってこそ面白くなる。
弥生が狙う官房機密費の存在も本当のこと。使途の公開義務がないのも事実。実際の機密費は首相官邸の金庫内に10億円以上眠る。
物語では国自党の地方議員による国保逃れ問題が発覚する。その追及をかわすため、国自党は解散総選挙を選択した。
現実社会においても昨年12月、与党・日本維新の会の地方議員による国保逃れが表面化。今年1月に衆院が解散され、2月に総選挙が行われた。時事的な出来事がトレースされている。
国自党の参院議員・夏目将門(高橋一生)は解散を嘆いた。総選挙には約900億円もの費用がかかるためだ。「任期が残ってんだから、目一杯やれよ~」(夏目)。この金額もおおむね合っている(2月の総選挙は約850億円)。
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