「お、銭のにおいがしてきたな」…ブレイク前夜の「大木こだま」を鼓舞した吉本大物芸人の“格別な誉め言葉”
夕刊紙・日刊ゲンダイで数多くのインタビュー記事を執筆・担当し、現在も同紙で記事を手がけているコラムニストの峯田淳さんが第一線で活躍する有名人たちの“心の支え”になっている言葉、運命を変えた人との出会いを振り返る「人生を変えた『あの人』のひと言」。第87回は中田カウスさん。大物にして大ベテランの漫才師の、芸人としての生き様に迫ります。(以下、記事中の敬称略)
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大物漫才師との邂逅
吉本興業との付き合いでは、思いっきりバットを振ったこともあるが、そんな過去の因縁がまあまあな感じになり、グッと懐に入り込んでガッツリその歴史にまで迫ったのは2010年のことだった。
月刊「噂の真相」が休刊になり、同誌の元編集者でライターとして活動していた常松裕明が、吉本興行の大崎洋社長(当時、73)と懇意にしているという話を聞き、「あんな大物と。常松君、すごいなあ」と思いつつ、図々しくも、「大崎社長の連載ができないか?」と関係者も含めてお願いしていた。
昨日の敵は今日の友みたいな軽いノリで、「どの口が」といわれそうだと思いながら。確率は限りなく0%に近い……はずだったが、大崎社長からOKがでた。正直、「ありがたい話だけど、なんでやろ!?」と思ったのを覚えている。
連載は58回。後に大幅に加筆、修正されて13年に『笑う奴ほどよく眠る 吉本興業社長・大崎洋物語』(常松裕明著、幻冬舎刊)として出版された。
そんな経緯もあり、他紙に混じって吉本を取材する機会が増えた。13年暮れに「千葉にお笑いを」ということで、「よしもと幕張イオンモール劇場」グランドオープンのイベントにも出かけた。テープカットの中央にいたのは中田カウス(77)と9月14日に亡くなった中田ボタン(享年78)だった。
そこにはもちろん大崎社長の姿もあり、声をかけていただき、「カウスさんを紹介しますわ」と言われて楽屋を訪ねた。社長は「僕の本を作ってくれた人です」とカウスさんに紹介してくれた(正確には「僕の本の“元”」だが……)。そして、厚かましいかぎりだが「カウスさんの連載を是非」とお願いまでして。
実はこのイベントの前に、カウスさんには別の記者がインタビューしていた。中田カウス・ボタンを始めとする本格派漫才師の面々が、4年かけて47都道府県を回るツアー「漫才のDENDO」のPRを兼ねて、意気込みを語ったものだった。
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