「背中が丸まっていると死亡リスクは2倍に」 対策のための食事法は? 「日本人は圧倒的にビタミンD不足」
「老い」は知らずにやってくる。まさに“背後”から忍び寄ってくるのだ……。丸まった背中は老いの象徴に感じられるが、「見た目」にとどまらず、内臓などにも悪影響を及ぼし、死亡リスクを増大させる要因となる。セルフチェック法から予防対策まで、専門家が解説。【野尻英俊/順天堂医院・脊椎脊髄センター副センター長】
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他人からはよく見えていても、自分には見えない。家族や同僚は毎日自然と目にしているのに、自身は見ようとすらしていないもの――それは「背中」です。
普段私たちは、朝起きてから出かけるまでの間に鏡で自分の顔を必ず見る一方、よほど意識しなければ自らの背中を見る機会はありません。つまり、顔のシワは自覚できても背中の変化には気付きにくい。私たちは「背中から老いていく」にもかかわらずです。
〈こう警鐘を鳴らすのは、順天堂大学医学部附属順天堂医院脊椎脊髄センター副センター長の野尻英俊医師だ。
年間約3000人の患者と接している野尻医師は、「背中の老い」に早めに気付き、対処することこそが人生100年時代の健康長寿には欠かせないと説く。
背中の老い、すなわち背中の丸まりは、「老けて見える」要因の象徴といえよう。確かに、背中が丸まっている人は若さが失われているように映る。しかしそれは、単なる見た目の問題にとどまらない、大きな健康リスクの表れでもある。背中の丸まり、それは「死への入り口」なのだという。
その名も『人は背中から老いていく』の著書がある野尻医師が続ける。〉
背中が丸まっていると老けて見られるという研究
学生時代の同窓会開催の案内が届き、久しぶりに旧友たちに会いたいと心が弾む。しかし、尻込みしてしまう自分がいる。同い年の友人たちよりも自分が老け込んでいたら恥ずかしい、と……。そんなふうな躊躇(ためら)いを感じた経験がある人もいるのではないでしょうか。
事実、日本老年医学会によれば、「前かがみ」などの姿勢は周囲の人たちに「衰え」といった印象を強く与えるといいます。また、アメリカの科学誌「PLOS ONE」に掲載された論文では、「背中が丸まっている人や猫背の人は、実際の年齢よりも老けて見られやすい。見た目の年齢と実年齢の差は、姿勢や体形、筋肉の張り、骨格の構造と関連している」と報告され、背中の丸まりは自己肯定感の低下にもつながると指摘されています。
みなさんの中にも、写真や動画に映った自身の後ろ姿を見て、「自分ってこんなに姿勢が悪かったの? 老け込んじゃったなあ」と、がくぜんとした経験のある人もいると思います。あるいは、離れて暮らす老親としばらくぶりに会ったら、随分と背中が丸まっていて驚いたことがある人も少なくないのではないでしょうか。
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