「背中が丸まっていると死亡リスクは2倍に」 対策のための食事法は? 「日本人は圧倒的にビタミンD不足」

ドクター新潮 ライフ

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65歳以上の女性で急増

 50歳を過ぎたら病院で定期的に骨密度を検査することをお勧めしますが、それ以外のチェック方法としては、「いつの間にか骨折」のサインには若い頃に比べて身長が縮んだ(1)、壁に背中をつけて立つと頭が壁につかない(2)、立っているだけで疲れる(3)などが挙げられるので、セルフチェックに努めてみてください。(3)は、姿勢が前傾になると動きづらくなるので、自然とバランスを保とうとしていろいろな筋肉を使うことになり、ただ立っているだけなのに大きなエネルギーを消費してしまうことから生じます。

 なお、脊柱後弯は男性に比べ、女性のほうが2倍なりやすいことが明らかになっています。とりわけ50~60代の女性は、閉経によって、骨の破壊を抑制する働きのあるエストロゲンの分泌量が低下して骨が脆くなるので要注意です。ハワイ骨粗鬆症センターの研究では、日本人女性は65歳以上において複数の椎体骨折の有病率が急増することも分かっています。

二つの体操

 続いては、背中の丸まりを自覚した上での対策を紹介したいと思います。

 先ほど指摘したように、背中が丸まるとバランスを保とうとしてさまざまな筋肉が稼働しなければならなくなります。これらの筋肉を、働きを補うという意味で代償筋と呼びます。この代償筋を鍛えることで、加齢に伴う背中の丸まりを食い止めることが可能になります。そこで私は、パーソナルトレーナーと共に、代償筋を鍛えるいくつかの体操、「老い出し体操」を考案しました。中でもお薦めの体操が二つあり、その一つめは「背中そらし体操」です。

 床、もしくは布団の上にうつ伏せになります。その状態から両肘をつき、上体を上に持ち上げ、顔を正面に向けたまま姿勢をキープする。腰痛などを抱えていない人で、さらなる効果を望む人は両肘をつくのを止め、肘の支えをなくして上体を起こしてください。この体操によって、背中から臀部にかけての筋肉、具体的には傍脊柱筋や、大臀筋などの臀筋群といった代償筋が鍛えられます。

 ちなみに、複数の海外の研究によって、とりわけ65歳以上の高齢者がストレッチを行う場合、60秒以上姿勢を保持しないと効果を得られないことが分かっていますので、この体操に関しても、できれば15秒や30秒でやめずに60秒続けてみてください。

「筋トレ」ではなく「体操」ではありますが、60秒間姿勢をキープするのはかなりきついと感じられるはずです。つまり、効いている証拠です。もちろん、無理は禁物ですので、やれる範囲から始めてみてください。

 二つめは「椅子で背中伸ばし体操」です。椅子に腰をかけた状態で、両手を組んで体の前に伸ばします。その体勢のまま背中を丸めながら上体を前傾させます。続いて上体を起こし、両肘を肋骨の辺りに置き、肘を張った状態をキープする。これも60秒間続けてください。脊柱起立筋や広背筋といった代償筋が鍛えられます。

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