なぜ外国人は、幕末の日本人を見て「優秀だけれど不正直」と思ったのか?

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 幕末の日本を訪れた外国人は、日本人の知的な鋭さと旺盛な好奇心に深い印象を受けた。異国の技術を瞬く間に吸収する優秀さに驚嘆する一方で、「世界一の嘘つき」と断じる記録も残している。

 文明史家の渡辺京二氏(1930~2022)は、新発見の講演録を元に編集された新刊『私の幕末維新史』の中で、日本人の印象がなぜ両極端ともいえるものになったのかを考察している。以下、同書から一部を再編集して紹介する。

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 幕末日本にやってきた外国人が気づいたのは、知的な優秀さです。...

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