なぜ塾で「子どもの性被害」が頻発するのか…増加する“個別指導”の影響、“恋愛感情”がトラブルに発展することも
周知のとおり、日本は目下「少子高齢化」が進行中だ。子どもの数が減り、高齢者増える社会である。こうしたなか、子どもが通う「塾」やそこで働く講師たちにはどんな影響があるのだろうか。そして、最近の現場ではどんなことが起きているのか。関係者に話を聞いた。
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塾の費用
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によると、小学生から高校生が通う塾の平均年間費用はそれぞれ以下のようになっている。
小学生
公立5万6167円
私立26万4241円
中学生
公立23万343円
私立16万8058円
高校生
公立14万7746円
私立11万2639円
意外にも中学生以降は、私立に通う生徒よりも公立に通う生徒のほうが塾に使用する費用の平均が高いことが分かる。
さらに興味深いのが、学年ごとの費用の推移だ。
公立に通う小学生の場合、1年生から6年生まで徐々に増加するものの、それほど大きな差はない。一方、私立に通う小学生の場合、1年生から塾にかける費用が高く、学年が上がるごとに金額の伸びも増大。「私立の6年生」が塾に使用する費用の中でもっとも高い金額になっている。恐らく中学受験をしようとする児童たちだろう。さらに私立の小学生はダンス、空手、コンピュータなどの習い事もしていることが多い。
その後、中学への進学を済ませ、塾に掛ける費用は公私ともに低くなるが、中学2年生になると公私の費用が逆転する。その理由は、私立の場合、中高一貫校に通っている生徒が多く、受験をする必要がないケースがあること。そして、私立の場合は校内に高い教育カリキュラムが備わっていることにあると考えられる。
高校生になると部活動などにかける時間が多くなることから、通塾の費用は全体的に低くなるが、依然として公立のほうが高い傾向が続く。
いずれにしても、学習塾だけでこれほどの費用が掛かっているとなると、子育てにかかる全費用は相当なものになる。
前出の資料によると、幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間の学習費(教育費・給食費・学校外活動費)の総額を見ると、すべて公立に通っても約600万円、私立に通った場合になると、約1980万円かかる。
子どもの産み控えを考える理由がよく分かる。
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