ジョブズ、ゲイツも自身の子どものスマホ、タブレットの使用を制限 スマホの使い過ぎで「光過敏脳」が激増

ドクター新潮 ライフ

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大切な子どもや孫に……

 大切な子どもや孫には、スマホなどを長時間使い続けることの害を説きましょう。アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏は自分の子どもにiPadを触らせる時間を制限し、マイクロソフト社創業者ビル・ゲイツ氏は子どもが14歳になるまで携帯電話を与えなかったと聞きます。

 私も孫たちにはブルーライトカット眼鏡を買い与え、それなしにはスマホでのゲームを禁止するとともに、週1回はスクリーンフリーデイ(テレビ、パソコン、スマホ、タブレットを見ない日)を作るように伝えています。これらの対策の効果に対する直接的なエビデンスはまだありません。しかし、ようやくエビデンスが出た時には、もはや手遅れになっているかもしれないのです。

 光過敏脳が疑われる場合は、まぶしさを軽減できる光過敏脳専用のサングラス「HDグラス」を用いた治療が試みられ、成果を上げています。低光刺激のディスプレイや照明も登場しています。予備軍のうちに、ぜひ検討してみてください。

若倉雅登(わかくらまさと)
心療眼科医。1949年生まれ。北里大学医学部卒業、同大大学院修了。同大医学部助教授を経て、2002年井上眼科病院院長、12年から名誉院長。神経眼科、心療眼科を専門とした診療を行う。14年にNPO法人「目と心の健康相談室」を設立し、光過敏脳の患者の相談、対応にあたっている。厚労省の眼球使用困難症調査研究にも関わる。『心療眼科医が教える その目の不調は脳が原因』(集英社新書)など著書多数。

週刊新潮 2025年9月18日号掲載

特別読物「『明るくないのに眩しい』『眼が痛い』…スマホの使いすぎによる『光過敏脳』という病」より

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