「墓じまい」で法外な離壇料を請求されたらどうする? 専門家が教える「お寺ともめない」方法

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少なくとも10段階の手間が

 最後に、墓じまい・改葬のタイミングについて触れたいと思います。

 私は、墓じまい・改葬は遺言書の作成に似ていると考えています。いずれも、いますぐにやらないといけないという性質のものではありません。その意味で期限はない。一方、そのまま放置しておけば時の経過が問題を解決してくれる、というものでもありません。

 そして、切羽詰まってきた時にはそれどころではなくなる。容態が急変してからでは遺言書を作成している余裕はなく、周りが慌てて作らせるのも不謹慎な感じがして気が引けてしまう。墓じまい・改葬も同じです。これまで見てきたように、墓じまい・改葬には少なくとも10段階の手間がかかります。無縁墓になってしまう事態などを避けるためには、体力が残っている元気なうちに済ませておくべきであり、終活の一つに墓じまい・改葬も含めておくのが現代の流儀といえるかもしれません。

大塚博幸(おおつかひろゆき)
行政書士。1970年生まれ。建設コンサルタントなどを経て、2009年に大塚法務行政書士事務所を開設。早くから墓じまい・改葬を専門分野に掲げ、昨年8月、著書『トラブルを未然に防ぐ 行政書士が教える墓じまい・改葬の進め方』を出版した。シニアライフアドバイザー(中高年齢者総合生活相談員)としても活動している。

週刊新潮 2025年8月14・21日号掲載

特別読物「トラブル回避に絶対役立つ! お盆で考える『墓じまい』10の手順」より

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