5人に1人が経験! 「めまい」に効く就寝方法と食生活テクニックを専門家が指南
命に関わる「危険なめまい」
厚労省の調査によると、めまいの経験者は5人に1人。65歳以上の有訴者率は30%といいます。「朝目覚めたら、グルグル回転するめまいで起き上がれない」「顔を洗う、シャンプーをするといった動作すらできない」「薬でなんとか抑えられても毎朝めまい。この生活が数カ月続いている」――。このような覚えがある人もいるのではないでしょうか。
めまいには治療が遅れると命に関わる「危険なめまい」があります。特に怖いのは、脳梗塞、くも膜下出血、脳出血など脳血管系の病気で生じるめまいです。「ろれつが回らない」「激しい頭痛がある」「片手・片足がうまく動かない」などの症状が共に見られれば、速やかに病院を受診してください。場合によっては救急車を呼ぶべきです。
ただし、めまい全般において「危険なめまい」は割合としては少数です。今回みなさんにお伝えしたいのは、めまいの大多数を占める「危険なめまいでは“ない”めまい」についてです。命の危険こそありませんが、日常生活に与える影響は非常に大きい。ひどいめまいでは吐き気や嘔吐(おうと)を伴い、家事や仕事がままならない人もいます。
60代がピーク
私がセンター長を務める「めまい難聴センター」では開設以来、めまいに関するさまざまなデータを蓄積しています。その中で、2014年から18年に「めまい難聴センター」を外来受診した新患患者さん1520例を分析したところ、年齢分布は60代がピーク。脳血管系の病気による危険なめまいは1%で、耳の一番奥にある内耳に関連しためまいは85%強でした。そのうち最も多かったのが、内耳の小さな結晶(耳石)が耳石器から剥がれるがれ三半規管にこぼれ落ちて生じる「良性発作性頭位めまい症」。1520例の全めまい患者さんの中で占める割合は約40%に達しました。
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