5人に1人が経験! 「めまい」に効く就寝方法と食生活テクニックを専門家が指南
自らの意思とは関係なく、起き上がれなかったり、立っていられなくなったりする。だが、周囲は理解してくれない……。「めまい」に悩む人は多いが、心因性、あるいは原因不明とされ、対策がおざなりになることも。専門の医師が画期的なセルフケア術を指南する。【北原 糺/奈良県立医科大学教授】
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戦国武将といえば、と問われて真っ先に織田信長を挙げる人も多いのではないでしょうか。その信長が好んだ小唄として有名な幸若舞(こうわかまい)「敦盛」の一節、「人間50年、下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり」。この「人間50年」は「寿命50年」と誤解されがちですが、正しくは「人の世の50年」という意味だといいます。ですがあえて、めまいの治療や研究に長年関わる私は「寿命50年」に着目したいと思います。今よりはるかに短命だった信長の時代、めまいに苦しむ人は少なかったのではないか、と。
めまいは年齢とともに増加傾向にあり、中でも「寝て、起きた時に起こるめまい」は、高齢になればだれでも経験する可能性があります。めまいはまさに、超高齢社会の日本では避けて通れない“現代病”と言っても過言ではないのです。
〈こう話すのは、奈良県立医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科学の北原糺(ただし)教授。同大は2014年、北原教授ら耳鼻咽喉科の医師、理学療法士が中心となり「めまい難聴センター」を設立。複数の科が横断的にめまいの診断・治療にあたっていて、近畿圏はもとより、北海道や沖縄など遠方からも患者が来院する。
めまいは20%ほどが原因不明といわれるが、「めまいの原因を突き止める」を目標に掲げる同センターの病名解明率はなんと97%に上る。〉
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