東京23区で家賃値上げラッシュ 2027年に「もう住めなくなる」区はどこか…総合成長率から2年後を予想

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現状の家賃だけでなく今後の伸び率にも着目すべき

 いずれの区の家賃も上昇傾向だが、価格帯が上位のグループほど、値上がりの推定値が上振れていることが見て取れる。

 今回使用したのは「平均賃料」であり、インフレ率や需給の想定も、あくまで現時点での予測値となる。地政学リスクや金融ショックといった突発的な要因も織り込まれていないが、23区別の家賃動向の方向性をつかむには有用だ。

 東京23区の家賃は、今後もじわじわと上昇していく。だが、そのペースは一律ではない。都心の一等地である中央区や渋谷区では、すでに高水準の家賃がさらに上がる見通しであり、一般人が住まいを探すには現実味がない。

 一方で、葛飾区や足立区のような郊外エリアでも、今後の成長率は無視できない。これまで家賃が比較的抑えられていた分、上げ幅が目立つとも言えよう。

「今後も少しでも安い家賃で」

「将来的に家計を圧迫しない場所で暮らしたい」

 そう考える人は、現状の家賃水準だけでなく、今後どれだけ伸びる可能性があるかにも目を向けるのがいいだろう。

 いま自分が住んでいるエリアの家賃が2027年に「ちょっと高くなったな」のレベルで済むのか、それとも「もう手が出ない」に変わってしまうのか。

 データをもとに、いまから備えておくに越したことはない。

【著者プロフィール】
マン点(まんてん) マンションアナリスト。一級建築士。20年以上続けている不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」の管理人
X(旧Twitter):https://x.com/1manken

デイリー新潮編集部

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