東京23区で家賃値上げラッシュ 2027年に「もう住めなくなる」区はどこか…総合成長率から2年後を予想

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グループ3:中~低価格帯(江東・墨田・中野・世田谷・豊島)

(2025年Q1)
平均賃料:3,545~3,776円/㎡
平均家賃:11.1~13.6万円
平均㎡:29.5~32.7㎡
総合成長率:4.0~5.3%/年

需給逼迫(0.5%):湾岸や池袋の再開発で需要が増加、供給は限定的。空室率が低下し、ファミリー層や若年層の流入が賃料を0.5%押し上げる。

外国人需要(0.0~0.5%):墨田の観光需要や江東の国際的魅力で外国人契約が一部増加。円安が短期滞在者を刺激し、賃料を0.0~0.5%押し上げる。

 再開発が進むエリアが多く、今後の変化が期待されている。江東区では2025年Q1の賃料3,776円/㎡が、2027年Q1には3,998円/㎡となる見込みだ。

グループ4:低価格帯(杉並・大田・北・荒川)

(2025年Q1)
平均賃料:3,269~3,378円/㎡
平均家賃:9.8~11.2万円
平均㎡:28.0~31.3㎡
総合成長率:3.2~4.5%/年

需給逼迫(0.3%):都心アクセス向上で単身者・ファミリー層の需要が安定。供給は潤沢。賃料を0.3%押し上げる。

外国人需要(0.0%):外国人需要は少ない。地域のローカル性が強く、駐在員や投資家の関心は低い。賃料への影響は0%。

 落ち着いた住宅街が多いエリアだが、荒川区のようにじわじわと価格を押し上げる動きも見られる。

グループ5:さらに低価格帯(板橋・練馬・江戸川・葛飾・足立)

(2025年Q1)
平均賃料:2,552~2,986円/㎡
平均家賃:9.1~9.8万円、
平均㎡:29.6~37.0㎡
総合成長率:3.3~4.8%/年

需給逼迫(0.3%):交通網改善で若年層・ファミリー層の需要が増加。供給は安定だが賃料を0.3%押し上げる。

外国人需要(0.0%):外国人需要は限定的。地域の住宅が主流で、投資家や駐在員の関心は低い。賃料への影響は0%。

 低価格帯グループでも意外としっかりした値上がりが見られた。とくに葛飾区や足立区は、過去10年の総合成長率が高く、外部要因との相乗効果で今後も上昇が続くと予測される。

 5つのグループそれぞれ、代表となる区の賃料の推移(2026・2027年Q1の推定値を含む)を次図に示す。

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