東京23区で家賃値上げラッシュ 2027年に「もう住めなくなる」区はどこか…総合成長率から2年後を予想

国内 社会

  • ブックマーク

グループ別の家賃上昇幅は?

 おなじ東京23区内でも、その上がり方には明確な差がある。今回は、2025年Q1の平均賃料に基づき、23区を5つのグループに分類。そのうえで、2026~2027年の賃料を予測した。

 2027年Q1の予測賃料(円/月・㎡)を次図に示す。

 23区を2025年Q1の賃料水準で5グループに分け、2026~2027年の上昇率を予測。過去の成長率と経済要因の影響で、グループごとに鮮明な差が出た。

 以下、グループごとに解説する。

グループ1:高価格帯(港・千代田・渋谷・中央)

(2025年Q1)
平均賃料:4,863~5,367円/㎡
平均家賃:17.7~21.8万円
平均㎡:33.1~38.2㎡
総合成長率:5.0~6.3%/年

需給逼迫(1.0%):ビジネス中心地や再開発で住宅需要が急増。供給不足で空室率が低下し、高級賃貸の競争が賃料を1.0%押し上げる。

外国人需要(0.5%):円安と国際企業の集積が外国人駐在員・投資家の流入を促進。高級賃貸需要が賃料を0.5%押し上げる。

 このゾーンでは、家賃がすでに高水準にあるにもかかわらず、さらなる上昇が予想される。とくに千代田区は2025年Q1の5,041円/㎡から、2027年Q1には5,403円/㎡へ。仮に35㎡のワンルームだと年間で約18万円も値上がりする計算に。

「ここに住めるのは、選ばれし者だけ」。そんな言葉が現実になる日も遠くない。

グループ2:中価格帯(新宿・目黒・品川・文京・台東)

(2025年Q1)
平均賃料:3,882~4,283円/㎡
平均家賃:11.9~15.0万円
平均㎡:28.2~34.2㎡
総合成長率:4.8~5.4%/年

需給逼迫(0.5~0.8%):新宿駅や品川の再開発、観光需要で住宅需要が高まり、供給が不足。空室率が低下し、単身者・ファミリー層の流入が賃料を0.5~0.8%押し上げる。

外国人需要(0.3~0.5%):円安と観光地(新宿・台東)の魅力で外国人駐在員や短期滞在者が増加。民泊や高級賃貸需要が賃料を0.3~0.5%押し上げる。

 観光地や交通利便性のあるエリアが多く、安定した上昇が見込まれる。新宿区では2年間で約300円/㎡の上昇が予測される。

次ページ:グループ3:中~低価格帯(江東・墨田・中野・世田谷・豊島)

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。