「酒、たばこの味に違和感」で発覚 食道がんを経験した著名人たちが明かす初期症状 「後悔するのはがん検診を受けていなかったこと」
独自に考案したビールの飲み方
そこで鈴木氏は“体に優しい”ビールの飲み方を独自に考案。どうしてもビールが飲みたくなった時は、広げた新聞紙の上にコップを置き、1メートルほど上から缶を傾けてチョロチョロとコップにビールを注ぐのだ。
「こうすると炭酸が飛んで、口当たりがマイルドになり、ビールが非常に飲みやすくなるんです。女房は“そんなことまでしても飲みたいのか”とあきれていますが、むしろ食道がんになって気を付けるようになったのは、食べ物の方です。とにかく消化に良いものをゆっくりと時間をかけて食べるよう心がけています」
ただし「特に消化が良くない」として、医師から“厳禁”に指定されたものがあると明かす。
「生のイカとタコです。煮たり焼いたりすれば問題はないそうですが、刺身など生で食するのは危険だということでした。それもあって最近は野菜も生でなく、ゆでたブロッコリーやアスパラガスなどをよく食べるようになりました。3度のがん闘病を経て、食生活は昔よりずっと健康的になったと感じています」
「歌がうまくなった」
そんな先人としての経験を踏まえ、鈴木氏は石橋をこう鼓舞する。
「手術から2~3年もすれば体も慣れてくるし、60歳を過ぎれば、がんの進行も遅くなります。私のように工夫次第でお酒を飲めるようにもなるし、芸能活動への復帰も十分可能。悲観や弱気こそが、一番の大敵です」
さらに前出・中牟田氏も、
「食道がんになって体力が落ち、呼吸法も変わりましたが、逆にそのおかげでうまく息を使って歌えるようになりました。がんと診断されたのを機にたばこもやめたので、声のトーンも上がった。石橋さんも術後に気付く“けがの功名”がきっとあるはずです」
と不安を払拭する言葉を送る。食道がんになっても変わらず活躍を続けるサバイバーたち。さて、石橋の復帰はいつになるか。
[5/5ページ]

