水谷豊が明かす“寺脇降板”秘話 「いつまでも居ちゃだめだ」とアドバイスした理由とは

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「光ちゃんにはものすごいプレッシャーが」

 2代目の相棒に選ばれたのは及川光博だが、寺脇のイメージが強いだけにファンの反感が予想された。

「僕の経験上、何かを変えると、『前の方がよかった』という意見が多いんですよ。それで、及川光(みっ)ちゃんの作品を見せてもらって、プロデューサーも彼でいけるということになったとき、『続けるうちに、こっちもいいね、という人が必ず出てくる』と話し合ったんです」

 当初、及川が演じる神戸尊の設定が警察庁のキャリア組であったため、ファンから「右京とはエリート同士なのに、何が面白いんだ」と批判されたという。

「僕は、同じエリートでも、はっきり違いが出てくるから気にしていなかったけど、光ちゃんにはものすごいプレッシャーがあったと思う。初登場でいい視聴率が出たときには涙ぐんでいましたね。寺脇以降の相棒たちは、大変なプレッシャーを感じているはずなんですよ」

 神戸尊は、右京の相棒になるためではなく、右京をスパイする目的で特命係にやってきた。尊の「お言葉ですが」という決まり文句とともに、亀山薫とはまた違う魅力が浸透していった。

「光ちゃんはね、僕のことを先生と呼ぶんですよ。『熱中時代のファンだったので、僕にとっては先生です』と言って。それで、3年間やって撮影が終わったとき、彼が『もう、最後までずっと我慢していました』と話して、『熱中時代』の劇伴(げきばん)(サントラ)のアルバムを出したんですよ。『これにサインしてください』って」

不仲説を書き立てた一部のマスコミ

 及川は3年で降板した。寺脇の出演期間の半分だったため、一部のマスコミが水谷との不仲説を書き立てた。

「もう光ちゃんがね、『なんで僕たち、こんなに仲悪く書かれるんですか』ってよく言ってましたよ。ドラマを観てれば、二人の仲がいいことは分かるよ、って答えたけど、ああいう記事って何だろう。本当にいい加減にしてくれ、という気持ちはありましたね」

 及川だけではない。寺脇が降板したときも、3代目の成宮寛貴のときも、水谷との不仲説が流れた。

「みんな順番に書かれたんだよね。ソリだけは、仲の良さを時々マスコミに流していたので書かれなかったけど。(他の相棒とも)これ以上仲良くしなくてもいいでしょってくらい、仲が良かったのにね」

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