「肉より魚、大豆」派は短命? 加齢臭に効く食品は? プロが明かす60代以降の食事術

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 健康のことを考えて、まずは野菜サラダから……。その食べ方、元気なまま70代、80代を迎えたい人は見直したほうがいいかもしれない。東京のクリニックで数多くの患者の栄養指導にあたってきた管理栄養士・森由香子さんが指南する、目からうろこの「食事術」。

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 年を取ってから食が細くなって……。そうぼやいている人はきっと多いと思いますが、そのまま食生活を改善しないでいると、「介護」や「寝たきり」といった状態にどんどん近づいてしまいます。すでに60代に入っている人、あるいはこれからさしかかるという人は、これまでの自分の食べ方や固定観念を払拭して情報をリセット、更新することが大事です。

〈そう語るのは、『60歳から食事を変えなさい』(青春出版社)の著者で管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士の森由香子さんである。60歳を過ぎても若々しく元気な人と、老け込んで病気がちになる人の違いは何なのか。「医療法人社団あんしん会 四谷メディカルキューブ」で患者への栄養指導にあたってきた森さんは、「食生活」こそが大きな要因ではないかと考えている。〉

骨格筋量は30~40%失われる

 年を重ねるとどうしても筋力は低下していきます。全身の骨格筋量は20代をピークに少しずつ低下し、80歳頃までに約30~40%が失われることが分かっています。骨格筋量が減少し、筋力が低下することを「サルコペニア」と言います。サルコペニアになると活動量が少なくなって食欲もなくなり、栄養が不足してさらに筋力が衰え……という悪循環に陥り、最終的には心身ともに弱った「フレイル」という寝たきりに近い状態にまで進行しかねません。

 では、どうすれば筋力の低下を防ぐことができるのか。そのためには、とにかくたんぱく質を積極的に取らなければなりません。弱ってしまってから始めたのでは遅いかもしれないので、まだ元気な60歳前後からたんぱく質をしっかり取れる食生活に変えることが大切だと思います。

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