「グルコサミン」「コンドロイチン」は無意味? ひざ関節痛の最新治療法とは

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手術は1時間程度

 わかりやすく言えば、クルマの運転支援システムのようなものだろうか。

「そうですね。ドライバーが軽くハンドルを持っているだけで曲がってくれたり、目的地の近くまで来たら自動的に止まってくれたり。今までにはなかった画期的なツールだと思います」

 また、単に医師を“支援”するだけでなく、術中の失敗を未然に防いでくれるのも支援ロボットの大きな特徴のひとつだ。

 人工関節の置換術はミリ単位での正確性が求められる。どんなに経験豊かな医師でも1ミリ、2ミリの手ぶれを起こすことはあるだろう。手術中に予期しないアクシデントに見舞われて、ノコギリで骨を切る角度を間違えてしまう可能性もある。

「ひざの手術に関して言えば、骨の処置がうまくできたとしても、ひざの後ろ側の靭帯などの軟部組織を傷つけてしまうのも怖いんです。ところが、支援ロボットを使えば、ノコギリは計画されたポイントで止まるので、骨を切りすぎて、靭帯を傷つけるようなこともありません」

 一度「Mako」を使った手術に慣れてしまうと、元の“支援なし”の手術には戻れないと漏らす医師が多いというのもうなずける。

「私は、手先は器用なほうではありませんが、すでに『Mako』によるひざの手術は200件を超え、日本で一番多く経験しているようです(日本ストライカー社調べ)。慣れてくると手術のスピードも上がり、今では1時間程度で終わります。ロボットの支援を受けて、安全でさらに正確な手術ができるようにもなりました」

 水島医師は、支援ロボットを使ってスムーズで無駄のない正確な手術をすることで、感染症などの合併症も低減できるはずだと言う。実際に術後の痛みは従来の手術よりも軽減され、機能回復も早く、退院できるまでの期間も短いというデータもある。

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