「グルコサミン」「コンドロイチン」は無意味? ひざ関節痛の最新治療法とは

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既に実用化

 人工ひざ関節と人工股関節の置換術に特化しており、ストライカー社は、日本で17年10月に人工股関節全置換術で、19年4月に人工ひざ関節全置換術で薬事承認を取得した。水島医師が勤める米盛病院でも19年末に「Mako」を導入し、翌20年1月から実際の治療を開始している。

「私たちの病院では以前から、手術器具と患者の位置情報を随時画像で提供する術中ナビゲーションシステムや3D術前計画ソフトを用いて、正確なインプラントの設置方法を追求してきました。おかげで、これまでも実際の設置が計画から大きくズレるような事例はありませんでしたが、『Mako』の導入で、より正確な手術が行えるようになったといえます」

 米盛病院では、20年度は、合計で570件以上の人工関節置換術が行われた。そのうち「Mako」によるひざ関節置換術は154件、股関節置換術は82件だった。

「私が担当した最初の100例においても96%が事前に計画した角度から3度以内に収まっています。ロボット支援手術の正確性が伝わるかと思います」

 だが、ここまで聞いてなお、ロボットが手術を行うことに不安を拭いきれないという人もいるだろう。

「勘違いされている方もいるのですが、支援ロボットというのは“医者の手元を支援するロボット”であって、自律的に手術を行うロボットではありません。つまり、術前の計画通りに医師をアシストしてくれるのが『Mako』というわけです」

 主役はあくまでも執刀医であり、ロボットは心強いサポート役ということだ。

 改めて「Mako」を用いた人工関節置換術の流れを説明すると、まずは、CT検査で患部の詳細な3Dデータを取る。次に、骨格画像から3次元モデルを作成し、手術をする範囲や深さ、インプラントの位置や向きなどについて、術前計画を立てる。その計画をそっくりそのまま再現して、手術をバックアップしてくれるのが「Mako」なのである。

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