「グルコサミン」「コンドロイチン」は無意味? ひざ関節痛の最新治療法とは

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 日本では4人に1人がひざに潜在的な問題を抱え、1800万人が日々、痛みに悩まされているという。されば、いかなる治療法を選択すべきか。手術に不安材料はないのか。「ひざ関節症」に向き合う医療と技術の最前線を、専門医の解説とともにお送りする。

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 ああ、近ごろひざが痛い。誰かが呻(うめ)く。すると、どこからか「歳のせいじゃないの?」という声が飛んでくる。日本全国で共有される、このお約束のやりとりは、医学的に決して間違ってはいないようだ。

 人間のひざは、普通に歩くだけで体重の約1.5倍、走れば約3~5倍の負荷がかかるといわれる。随分とひざには気の毒なことだが、地球に生きる以上は避けられない。かくて人間はひざの痛み、医学の世界でいう「変形性ひざ関節症」に悩むことになる。

「『変形性ひざ関節症』は、クッションの役割を果たしている軟骨や半月板がすり減り、次第に関節部分の骨が変形してしまう疾患です。誰もがかかりうる身近な病気で、潜在的な患者を含めれば、現在、国内に約2500万~3千万人はいると推定されます」

 そう語るのは、整形外科医の水島正樹医師(46)。全国でも有数のひざ関節・股関節の手術数を誇る鹿児島市の米盛病院で、人工膝関節センター長をつとめるベテランだ。年350~400件に及ぶ手術を手がける水島医師が続ける。

「国内では目下、約1800万人が日常的なひざの痛みを抱えているといわれます。ひざと同様、下半身を支える重要な関節である股関節も、日常生活を送る中でかなりの負荷がかかっており、『変形性股関節症』になる人も少なくありません」

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