ノブコブ徳井が語る「千鳥はなぜ革命なのか」 ノブの“覚醒”、大悟の“可愛らしさ”

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“仲良しの友達”だからこそ作れる笑い

 それに気付いているのかいないのか、千鳥さんは両ボケ両ツッコミのネオスタンダード。まさに革命返しだ。

 僕が若手の頃に耳にした一番つまらない言葉が「ツッコミのくせに、ボケより笑いをとるな」だった。ボケだったら、そのくらいのハードル越えろよと、何度も思った。

 ダウンタウンさんだって、『ごっつええ感じ』のコントで、松本さんが登場する前に浜田さんがそのシチュエーションに合わせたボケの芝居をすることがあった。当然笑いが起きる。そこに松本さんがやってきて、さらに大きな笑いを生み出して……。笑いの掛け算だ。

 千鳥さんも同じだ。

 ノブさんは、どんな時でも大悟さんの前の段階でひと笑いを起こそうとする。そしてそのハードルを、大悟さんがさまざまな角度から越えていく。大悟さんはノブさんのボケや天然で起きた笑いに対して、嫉妬なんて絶対しない。「そんなハードル、わしが越えたる」という気持ちで楽しそうにノブさんを見て笑っている。

 こんなふうに二人で一緒になって笑いと戯れていられるコンビは、そうそういない。お互いを信頼しているのはもちろん、同級生だった時代から変わらない“仲良しの友達”という気持ちが今も根底にあるのだろう。

千鳥の「上品さ」

 それに二人には、すこぶる品がある。

 瀬戸内海の北木島で育った大悟さんと自然に囲まれたド田舎育ちのノブさん。それなのにどうしてあんなに二人とも上品なのだろうかといつも疑問だ。売れるために、ウケるために人を蹴落としてやろう!! そういう姿を見たことがない。

 どんな状況でも待って、相手の技を受けてから自分の技を繰り出す。自分が前に出ていきなり飛び道具を使ったり、肩透かししたりもせずに、しっかりと組み合ってくれる。正に横綱相撲で、ここまで真正面から闘ってくれるなら、こちらが負けたとしても清々しい。

 人に話を振る時だって、とても上品だ。自分が振りました、この笑いは自分のものですとアピールするような、そんな下品な振り方はしない。例えば女優さんやモデルさんに話を振る時、聞こえるか聞こえないかくらいの声で振る。自分の声を編集でカットしてもらってもいいくらいの小さな声で振り、彼女たちが自発的に発言したかのようにすることがある。

 なんて素敵なんだ。

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