ノブコブ徳井が語る「千鳥はなぜ革命なのか」 ノブの“覚醒”、大悟の“可愛らしさ”

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「俺が死んだら他の奴とコンビ組んでええからな」

 その後、どちらかというとノブさんの方と仲良くなっていった僕は、何度か飲みに行かせてもらえるようになった。

 ある時、朝まで飲んだ翌日の『ピカル』の収録にノブさんが現れないということがあった。寝坊したのか、とメンバーは盛り上がったが、すぐにスタッフさんからノブさんが今朝倒れたと聞かされた。

 それ以前にもノブさんは脳の血管が切れたか何かで、一度病院に運ばれたことがあった。その時は薄れゆく意識の中、タクシーに横たわりながら携帯で奥さんと大悟さんにメッセージを送ろうとしたらしい。

「こんな奴と結婚してくれてありがとう」と奥さんへ、「俺が死んだらすぐに他の奴とコンビ組んでええからな」と大悟さんへ。

 オチとして「そんなメールを送らないで本当に良かった。信じられないくらい恥ずかしい思いをするとこだった」と言っていたが、僕は心底感嘆した。命の危険を感じているなか、僕が相方の吉村に感謝のメールを送ることは絶対ないだろう。

 そんなノブさんがまた倒れたという。詳しい状況は分からないが、この前の症状が関係しないわけがないと思った。脳の血管にとって、刺激は大敵。酒や激しい運動など毒にしかならないだろう。少し考えれば分かることなのに、僕は酒を止めるどころか朝までノブさんを付き合わせてしまった。

 これでもし本当にノブさんに何かあったらそれはもう僕のせいだ。どうしよう、ノブさんの奥さんと子供たち、大悟さんになんて謝罪したらいいんだ。頼むノブさん、僕のためにも息を吹き返してくれ。ノブさんのいない『ピカル』の収録中、僕はひそかに願い続けていた。

 結果、翌週の収録に無事ノブさんは来てくれた。

「大丈夫だけど、しばらくはアルコールと激しい運動、刺激になるようなことは控えるように」と医者に言われたそうだ。

 本当によかった。あの時ノブさんに何かあったら、僕はノブさんのご家族や大悟さん、それにすべてのお笑いファンから恨まれることになっただろう。のちの千鳥さんの大躍進が幻となってしまっていたのだから。

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