新型コロナウイルスで高まった結婚願望――50代後半で始めた婚活

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10代から70代まで全世代が婚活サイトに登録

 まずは、婚活サイトへの登録だ。

 優良サイトはどれか……。ネットで調べる。さまざまな人がネット上で意見を述べていた。それぞれ薦めるサイトは違う。それでも、上位5社はほぼ同じだった。

 結婚相談所は登録者数が多いほうがいい。そこで、A社を選んだ。登録者数が累計1千万人と書かれていたからだ。日本人の人口は約1憶2千万人。累計で延べ数だとしても、1千万人はすごい。その100分の1の10万人でも会員数は十分だ。

 登録はかんたんだった。A社の場合、入会金は必要ない。約4千円の月会費を払えば登録できる。女性の会費は男性より少し安く、月額約3千円だ。会費はこのくらいがいい。高過ぎず、安過ぎない。婚活だろうが、英会話教室だろうが、低価格の会社は概ねよくない。会員の真剣度が低いからだ。男性の会費に対して女性の会費が安過ぎるのもいけない。金融や謎の宗教の勧誘の温床になりがちだ。

 A社の月会費は短期間だと割高で、半年、1年……と長期契約になるほど割安だ。しかし、ここに長期で滞在したくはない。短期で相手を見つけたい。安くなるからと、1年以上を選ぶ人はいないと思った。半年契約を選択し、クレジットカード情報を入力した。さらにハンドルネームを決め、プロフィールを入力する。

 プロフィールの項目は、年齢、身長、体形、血液型、出身地、居住地、国籍、職種、学歴、年収、休日、会話できる言語、婚歴、子どもの有無、同居人の有無、いつ結婚したいか、家事・育児への意識、自分が思う自分の性格、喫煙習慣、飲酒習慣、趣味……など。デジタルに弱い50代後半でも、悩むことなく入力できる。さらに、書式自由で自己紹介を書く。写真の掲載は任意だ。ただし、本人確認として、運転免許証やパスポートなど写真入りの公的身分証明書の画像も送信しなくてはならない。

 こうしたプロセスによって、本人であることや年齢や国籍は偽れない。しかし、その他は自己申告だ。たとえば体形だが、男性の場合は「細い」「ふつう」「マッチョ」「ややぽちゃ」「ぽちゃ」から選択する。周囲の評価がデブだったとしても自己評価がふつうならば「ふつう」だ。女性の場合は「細い」「やや細い」「ふつう」「グラマー」「ややぽちゃ」「ぽちゃ」から選択する。周囲の評価がデブでも、自己評価で「マッチョ」や「グラマー」を選ぶことはできる。職種も、年収も、婚歴も、子どもの有無も偽ることはできる。偽らなくても、書かないことはできる。

 ナンパ目的の妻帯者はまちがいなくいるだろう。美人局の女性もいるかもしれない。男女ともまちがいなくリスクを伴う。しかし、何もしなければ、パートナーを見つけることはできない。一歩踏み出さなくては、人生に何も新しいことは起こらない。

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