新型コロナウイルスで高まった結婚願望――50代後半で始めた婚活

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婚活は当たり前の時代になっていた

 結婚を目的とした活動――婚活には周期がある。仕事の繁忙期は“婚意”は眠っている。ところが、忙しさがひと区切りつき、時間ができると、婚意はむっくりと頭をもたげる。自分の中に眠っている「結婚したい」という欲求に気づき、婚活パーティに通う。やがて忙しくなると、婚活は小休止する。繁忙期を過ぎると、また結婚したい波が訪れる。そのくり返しだ。

 この10年で日本の婚活事情は大きく変わった。

 まず、婚活のハードルが下がった。かつて、婚活は恥ずかしい行為だった。結婚相手は、職場の同僚、学生時代の友人関係、友だちの紹介などで見つけるのがふつうだと思われていた。理由の一つは共通の知り合いがいることだ。相手がどんな人間なのか、複数の人に確かめられる。つまり“保険”がきいているのだ。

 保険のきいていない、リスクをともなう婚活は、日常生活で交際相手と出会えない、モテない男女がこっそりやるものだと思われていた。だから、友だちには内緒にしておきたかった。“婚活村”にいるのは、男女とも追い詰められた40代以上が主流だったからだ。

 とくにネット系の婚活は社会から理解されていなかった。セックスを目的とした出会い系サイトとなにが違うのか……。そのあたりが一般的にあいまいだったからだろう。

 10年前、仕事の後輩の当時35歳の女性が、まだ始まったばかりの婚活サイトで会社員男性と出会い結婚した。披露宴に招かれた僕は、フィクションのスピーチを頼まれた。二人の出会いは僕の紹介だと話してほしいというのだ。新郎にはもちろん会ったことはない。ネットを通しての結婚は、叔父叔母、祖父母の世代に理解されない。それが彼女の判断だった。

 しかし結婚難が加速した今は、オープンに婚活が行われている。20代も婚活パーティーで抵抗感なくパートナーを探している。

 いまやインターネットはほぼ生活の一部。それにともなって、婚活サイトも一般化、婚活パーティーや結婚相談所をしのぐ婚活ツールになった。

 50代後半、婚意が高まった僕は、婚活サイトにチャレンジした上で、思いつくすべての婚活のツールを利用することにした。

 やるからには中途半端ではいけない。次のことを自分に課した。

(1)婚活サイトに登録。ネットを通して毎日必ず1人以上女性にアプローチする。
(2)結婚相談所に登録する。
(3)週末でも、平日でも、時間が許す限り婚活パーティーに参加する。
(4)その他、参加できるすべての婚活ツールを利用する。

 こうして、生活を婚活中心にシフトした。

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