ついに「中韓同盟」を唱え始めた文在寅政権 トランプ大統領は「韓国は北朝鮮側の国」と分類

鈴置高史 半島を読む 韓国・北朝鮮 2019年12月13日掲載

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 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の特別補佐官が「中韓同盟」を公然と語った。トランプ(Donald Trump)大統領は北朝鮮の非核化包囲網から韓国を外した。米韓同盟は断末魔だ。韓国観察者の鈴置高史氏が実況する。

米韓が語り始めた「離婚話」

鈴置:米韓同盟の消滅に備える時が来ました。双方の政府が「離婚話」を語り始めたのです。

 文在寅大統領に代わってその本音を語ると韓国で見なされる文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官が12月4日、公開の席で中韓同盟に言及しました。

「韓国は米国との同盟を打ち切って、中国と同盟を結ぶつもりか」と米国で注目を集めました。もちろん、「韓国の裏切り」に米政府は不快感を隠していません。

 この発言は韓国の国立外交院がソウルで開いたセミナーで、米中韓の外交専門家、計3人が北東アジアの安全保障を議論する最中で飛び出しました。

 中央日報系のテレビ局、JTBCの「〈ファクト・チェック〉文正仁・特別補佐官、中国に『核の傘』を要請したのか?」(12月5日、韓国語)によると、状況は以下でした。

中国の核の傘に入る

 司会役の文正仁特別補佐官はカプチャン(Charles Kupchan)ジョージタウン大学教授に「最近、(在韓)米軍の撤収可能性がこと挙げされている。どう見るか」と聞きました。

 カプチャン教授は「その可能性は低い。あるとしても(北朝鮮との)平和協定締結の後であろう。締結して即、撤収すれば米国の誤りとなる」と答えました。

 すると文正仁特別補佐官は、今度は中国の専門家に対し「北朝鮮が非核化する前に米軍が撤収したら」との条件で、以下のように聞いたのです。

 米国務省の所管する放送局、VOA(Voice of America)の「波紋呼んだ『中国の核の傘』の質問…『北朝鮮と中国の挟撃招く危険な概念』」(12月7日、韓国語と英語)から引用します。発言は英語でなされています。

・Then it is pretty likely that the Koreans ‘OK, you leave.’ Can China intervene and persuade North Korea and provide South Korea with nuclear umbrella?(そうなれば、韓国人は『いいとも、出て行け』と言うことになるだろう。中国は北朝鮮を説得したうえで、韓国に核の傘を提供しうるか?)

出て行きたいなら出て行け

――中国が韓国に核の傘を提供する……つまり中韓同盟ですね?

鈴置:その通りです。核の傘を提供する――究極兵器で守ってやると約束する以上、同盟を結ぶことが前提です。要は、韓国大統領の特別補佐官が、公開の席で「韓国は中国と同盟する手もあるのだぞ」と米国に言い放ったのです。

 米国は韓国に対し在韓米軍の駐留経費を引き上げるよう要求しています。米メディア報道によれば5倍に増やすよう求めています。

 さらに「それを呑まないなら、在韓米軍を撤収するぞ」と脅しています(「SOMIA維持も、米国は『韓国は今後も中国に接近』と予測 もう収まらない怒り」参照)。

 それに対し文正仁特別補佐官は「撤収したいならしろ」と叫んだ。「売り言葉に買い言葉」です。そのうえ「韓国は中国と同盟するから困らない」とまで踏み込んだのです。

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