ついに「中韓同盟」を唱え始めた文在寅政権 トランプ大統領は「韓国は北朝鮮側の国」と分類

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「唐モデル」を夢見る中国人と韓国人

 最近の中国の急速な台頭を、韓国人は唐(618-907年)の勃興に重ね合わせて見ます。当時の朝鮮半島は、高句麗、新羅、百済が鼎立する三国時代でした。

 半島の3つの国はいずれも大国、唐に朝貢し、その力を借りて相互に牽制し合いました。唐からすれば3つの国を操ることで、朝鮮半島に支配を及ぼすことができたのです。海洋勢力の倭を牽制するにも、そうした仕組み――冊封体制が重要だったのでしょう。

 ですから、現代の韓国が北朝鮮と同様に中国と同盟し、その核の傘に入れてもらう――との発想は韓国人にとって、決してなじみのないものではありません。

 もちろん「唐の栄光」を取り戻せる中国も大歓迎です。すでに2014年には、中国政府関係者が韓国政府の関係者に「朝貢外交に戻ったらどうか」と持ちかけています。2014年5月15日の朝鮮日報が「中国の朝貢論、日本の嫌韓論」(韓国語版)で報じました。

属国に戻ってもいいのか

――韓国人は再び中国に朝貢する――属国に戻ってもいいのですか。

鈴置:VOAのこの記事も、そこを突きました。ランド研究所のベネット(Bruce Bennett)上級研究員は「歴史的に、中国が同盟国として保護を与えた際、その助けの見返りは従属だったのではないか?」と語りました。

 米議会が運営するRFA(Radio Free Asia)も文正仁特別補佐官の発言に警告を発しました。「米上院議員、『中国の核の傘を韓国に提供』は笑うべき考えだ」(12月5日、韓国語と英語)です。

 この記事で、共和党のスコット(Rick Scott)上院議員は「中国が香港で行っている先例を見れば、(文正仁特別補佐官の発言は)お笑いだ。英国から中国に移管されるまで保障されていた基本的な権利を中国共産党は認めないのだ」と語りました。中国の核の傘に入れば主権は尊重されないぞ、と指摘したのです。

「香港並み」の扱い受ける韓国

――この指摘を韓国人はどう受け止めるでしょうか。

鈴置:人によると思います。左派なら「米国だって韓国の主権は尊重していない」と言い返すでしょう。「米帝国主義が世界に覇を唱えるため、我が民族を分断し兵を置いている」と彼らは考えていますから。

 保守派はそうは言いませんが、中からは「北朝鮮の核に対抗するためには、中国の核の傘に入るのもやむなし」と考える人が出てくるでしょう。

 彼らは米国に見捨てられたら、とりあえずは自前の核を持とうとするはずです。が、それに失敗したら中国の核に頼るしかなくなるのです。

 朝鮮半島の人々は千数百年にわたって、中国大陸の王朝に支配されてきました。愉快なことではなかったかもしれませんが、彼らにとっては「慣れたこと」なのです。もちろん外敵から守ってもらうために「必要なこと」でもありました。

 2017年以降、韓国の大統領特使は中国で属国待遇を受けるようになりました。習近平主席と会見する際、並んで座るのではなく、末席に座らされるようになったのです。香港のトップと同じ待遇です。

 興味深いのは、韓国ではそれがさほど問題にならないことです。日本や米国からそうした仕打ちを受ければ大騒ぎになるでしょうに。韓国の気分はすっかり属国に戻っているのです。

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