定住せず土地を渡り歩く「アドレスホッパー」という生き方 その意外な“稼ぎ方”

ビジネス 2019年6月28日掲載

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 近年、時間や場所にとらわれない働き方として「テレワーク」が注目されているが、「アドレスホッパー」は、それをさらに進化させた存在といえるかもしれない。家を持たずにさまざまな場所を泊まり歩く。さながら“渡り鳥”のように、一定期間をある地域で過ごしたら、また別の地域へ……。千葉県出身の木津歩さん(27歳)もそんな一人だが、単なるアドレスホッパーではない。地域に独自の方法でアプローチし、地域活性化を伴うかたちで収入を得ているのだという。

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 石川→北海道→兵庫→大阪→青森→岡山→北海道→富山→岩手→兵庫→千葉

 これは、およそ月1回のペースで拠点を変えるアドレスホッパーの木津さんが、これまで約1年かけて日本国内で巡ってきた土地(都道府県)の遍歴だ。

 アドレスホッパーとは、ここ近年世界中で同時多発的に広まりつつあるライフスタイル。アドレスホッパーといってもスタイルは人それぞれで、その日の気分で泊まる場所を決めて毎日移動する者もいれば、複数の拠点を持ち各土地に根ざした生活を送る者もいる。泊まる場所も、スーパー銭湯、宿泊施設、短期のシェアハウス、友人・知人宅などさまざまだ。

 リクルート住まいカンパニーの調べでは、2018年に2カ所以上の生活拠点を持つ人は推計約17万人にものぼるという。

 月1ペースの移動生活を送る木津さんが目指しているのは、より地域との関係性が強い多拠点生活だ。

「僕が一番やりたいことは、たくさんの場所と関係を持つこと。それぞれの地域と関係性を持って、自分が“帰れる”場所をたくさん作りたいんです」

地方にだって仕事はある

 アドレスホッパーの生活で最も気になるのが収入面だが、その稼ぎ口も人によりけりだ。移動先の拠点で単発や住み込みのアルバイトをしたり、パソコンを使ってリモートワークしたり、あるいは貯金をきり崩しながら生活している人もいる。木津さんの場合は、移動先で働き口を見つけていくスタンスだ。

「地方には仕事がないというイメージを持っている人は多いと思いますが、実は結構あります。正式な求人として出ていなくても、人手をほしがっている仕事先は多い。現地で仕事を見つけるコツは、面白い人が集まる場所に足を運び『仕事を探しています』と言いまくること。そうすれば噂が広がり、色んなところから仕事の話が入ってくるんです。岩手県遠野市でカフェスタッフや塗装の仕事をしたときも、人づてに紹介してもらって見つけました」(木津さん、以下同)

 こうした地場産業への従事のほかにも、珍しいやり方で生計を立ててもいる。2018年11月に、兵庫県香美町の町つくりのNPO法人「TUKULU」と締結した「関係人口契約」に基づく収入だ。

「関係人口契約」とは聞き馴れない言葉だが、木津さんは次のように解説する。

「関係人口とは、移住者でも観光客でもなくて、とにかくその地域と密接に関わり続けている人のこと。たとえば、住民票を移す予定はないけれど、普段は別の場所で働きながら、月に数回そこでお店を出す人。あるいは、生活の拠点を都会に置きつつ、その地域への移住者を増やす取り組みを行う人なども関係人口と呼ばれます」

 つまり木津さんは、TUKULUから契約料をもらう代わりに、香美町の活性化のための活動を行っているのだ。

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