「食べてはいけない冷凍食品」66ランキング 避けたいパスタ、から揚げ、餃子はコレ

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香料、加工でんぷんにも注意を

 リストに掲載したパンや冷凍食品には、「超加工用添加物」の一つである香料が入っている商品も多い。その字面からは危険なイメージは伝わってこないが、

「香料にも発がん性の疑いがあるものがたくさんあります」

 と、中村氏は指摘する。

「例えば、アメリカのFDAはベンゾフェノンやエチルアクリレートなどの合成香料を食品添加物リストから削除しました。これは連邦食品医薬品化粧品法のデラニー条項に基づく措置。デラニー条項とは、ほんのわずかでも発がん性があればリストから削除して使用を止めよう、という趣旨の条項です。これらの香料は日本では未だに使用可能ですが、いずれも香料としか表示されないので入っていても分かりません」

 やはり商品によく入っている加工でんぷんも、実際には10種類以上あるが、表示は全て加工でんぷんだ。

「10種類以上のうち、ヒドロキシプロピルデンプンとヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンは、EUでは、安全性情報が不十分との理由で、乳幼児向け食品への使用が禁止されています」(家庭栄養研究会常任顧問の蓮尾隆子氏)

 複数の専門家の見解を重ね合わせていくと、やはり「超加工用添加物」が多く含まれた食品を日常的に摂取するのはなるべく避けたほうが良さそうなのだ。

 件の論文では、導き出した研究結果について、〈必ずしも一般化できないかもしれない〉としているが、注目すべきはその理由だ。今回のコホート研究への参加者は〈フランスの一般人口の比率に比べて女性が多く、健康に気を遣っており、社会的地位が高く、教育レベルも高い〉人が多かったため、〈これらの点の影響で関連性を低く見積もっている可能性がある〉としているのだ。つまり、社会的地位が高い人などの割合が一般人口の比率に近かった場合、もっと高いリスクを示す結果が出ていたかもしれない、と指摘しているわけだ。

「加工度によって食品を分類するのは、健康への影響を考えると、大変に有意義なことだと思います」

 そう語るのは、ハーバード大学などで研究を重ねてきた医師の大西睦子氏だ。

「この論文については多くのアメリカの報道でも取り上げられています。超加工食品の、加工度の高さや添加物の多さに鑑みれば、習慣的に食べすぎると、がんのリスクが高まる可能性はあるでしょう」

 最も大事なのは「知る」ことだ。知った上で、それを避けるかどうかは各自の判断に委ねられよう。

週刊新潮 2019年1月31日号初出/2019年4月28日掲載

特集「10万人を追跡調査というパリ第13大学の論文で『がんリスク』増大判明! 食べてはいけない『超加工食品』実名リスト」より

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